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「成功企業が実践するAI活用セミナー」 レポート

ライターの山本です。今回はセミナーに参加してきたので、概要をレポートにしたいと思います。

最近、人手不足の解消や生産性の向上で、AI(人工知能)の活用が注目されています。
今回は、2019年8月8日に行われたエッジコンサルティング株式会社と日本ディープラーニング協会の共催イベント「成功企業が実践するAI活用術」セミナーに参加してきました。

AIの資格ってどんなもの

セミナーではまず、日本ディープラーニング協会の西澤成彬さんから、資格についての講演がありました。
日本ディープラーニング協会(JDLA)とはディープラーニング(※1)を世の中に広めていきたいという協会です。東京大学の松尾豊教授が理事長を務めています。
この日本ディープラーニング協会がいわゆる「AI検定」として話題のG検定やE資格という2種類の資格試験を作成、実施しています。

G検定とE資格の概要は以下の通りです。
◆G検定
対象:AIに興味がある、AIを事業活用したいという人全般
目的:ディープラーニングに関する知識を持ち、事業に応用できること

◆E資格
対象:実際にディープラーニングを実装するエンジニア
目的:ディープラーニングの理論を理解し、ゼロベースで実装すること

E資格では、認定プログラムの講座を受けることが受験資格となっており、試験だけではないエンジニアとしての実力を担保しているそうです。

また、資格を取得した後も、合格者間の情報交換ができる場の提供や、ハッカソン(※2)の実施によって知識や技術の活用を促しています。

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企業がAIを導入する際のポイント

続いて「企業がAI活用成功のためにすべきこと」について、具体的な事例を交え、3つの講演がありました。

皆さんのお話で共通していたのが、つまずくポイントがPoCという工程であること、そして成功のポイントがAI活用の内製化であるということでした。
PoCとは「Proof of Concept」の略で「概念実証」という意味です。AIなどを用いた新しいシステムを開発する際に、実践の前段階で実現可能性を確かめる工程のことを指します。
なぜ、多くの企業がPoCの段階でつまずくのか。

まず、やみくもに自社開発を始めてみても、精度があがらないことが多いといいます。
AI開発は専門知識が必要となるため、開発チームにデータサイエンティストなどの専門家がいない場合、いきなり高い精度を出すことが難しいからです。
かといって、断片的に外注すればうまくいくというわけでもありません。
パートナーとして継続的に専門家に依頼ができる場合は良いですが、継続的な依頼ができない場合、製品のアップデートの度に外注をする必要があるなど、都度最適なチューニングを実施することが難しくなってしまうからです。

これを解決するポイントとなるのが、AI活用の「内製化」です。
うまく内製化することで、自社に適したAIの使い方ができます。
AI活用を内製化する、といっても「AIの専門家」である先端IT人材は日本ではまだ、自社でたくさん採用できるほど多くはいません。
そんな中、企業がAI活用を内製化するポイントは、「AIの得意なこと、苦手なことを理解し、AIで解決できる事業課題が何かを把握すること(G検定レベルの知識)」、「不足するスキルやノウハウは外部に頼りつつ、自社の担当者とチームで業務を遂行すること」です。
例えば、「立ち上がり」「仕組みづくり」では、専門のデータサイエンティストにコンサルティングを依頼することが良いと言えます。今回のセミナー登壇企業である株式会社ALBERTが多数抱えているデータサイエンティストの支援を受けたり、株式会社GRIDが提供しているAI開発の支援ツールを活用したりしつつ、AIを用いたシステム開発の実現性について確かめていく、といった方法がよいとのことです。

 

まとめ

AIがIT企業のエンジニアや研究者のためだけの技術ではなくなってきている今、普通の会社員でもAIについてある程度の知識を持つことが自社の事業へのAI導入を成功させる第一歩になるのではないでしょうか。

最新技術というイメージから「AIは何でもできる」と思ってしまいがちですが、AIにも苦手なことはあります。そんなAIの得意・不得意などのある程度の知識を得るために、まずはG検定の取得を目指してみるのがよさそうです。

【今回のセミナーの運営について】
今回のセミナーはエッジコンサルティング株式会社のAIジョブカレによる運営でした。G検定並びにAI概論の研修をご検討されている方はAIジョブカレまで。
連絡先: 03-6205-7597
aijobcolle@edge-consulting.jp
【登壇者の皆様について】
日本ディープラーニング協会 西澤成彬さん
https://www.jdla.org/

株式会社ALBERT 高橋淳一さん
https://www.albert2005.co.jp/

株式会社GRID 宮﨑えり子さん
https://gridpredict.jp/

エッジコンサルティング株式会社 森谷和弘さん
https://www.edge-consulting.jp/

※1:機械学習の手法の一つで、人間の脳を模した構造をもつニューラルネットワークを多層に重ねた構造をもつ。画像認識や音声認識等で大きな性能の飛躍を遂げている。(日本ディープラーニング協会HP参照)
※2: hack(ハック)+marathon(マラソン)からの造語。ソフトウエア開発者が、一定期間集中的にプログラムの開発やサービスの考案などの共同作業を行い、その技能やアイデアを競う催し。(小学館『デジタル大辞泉』より引用)

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