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ラジオ:まちと移動のミライコラボ

豪雪地帯を支える鉄道の使命〜冬期輸送のリアルとインバウンドの可能性〜

豪雪地帯を支える鉄道の使命〜冬期輸送のリアルとインバウンドの可能性〜

 

第10回のゲストは、前回に引き続き、青い森鉄道株式会社 代表取締役社長・東 直樹さんをお迎えします。

今回は、青森の鉄道運営において避けては通れない「豪雪」との闘いについて深掘りします。温暖化の影響で変化する雪質や、想像を絶する除雪作業の現場、そして運休が地域生活に与える影響など、雪国鉄道のリアルな実態を伺います。

また、私たちにとっては困難であるはずの「大雪」を、インバウンド観光の強力な武器へと変える逆転の発想と、これからの地域交通が目指すべき姿についても熱く語っていただきました。

▶︎前編:地域鉄道の使命と挑戦〜並行在来線の未来を拓く〜


番組名
『まちと移動のミライコラボ』全文書き起こし
放送日
2026年3月15日
ゲスト
東 直樹 氏(青い森鉄道株式会社 代表取締役社長)

【オープニング】

石井: ラジオ大阪、「まちと移動のミライコラボ ~Will Smartと街づくりのプロが描く日本のこれから~」です。よろしくお願いします。この番組では、移動と街づくりをキーワードに、日本の移動インフラや都市のあり方がこれからどう変わっていくのかを、第一線で取り組まれている方々と一緒に考えていきます。

本日のゲストは、東北新幹線の延伸に伴う並行在来線として、青森県の交通を支え続けてこられた、青い森鉄道の社長です。本番組はWill Smartの提供でお送りします。

石井: 今回のゲストは、青い森鉄道株式会社 代表取締役社長、東 直樹さんをお迎えしています。東さん、よろしくお願いします。

: よろしくお願いします。

【豪雪との闘い~並行在来線122km、冬期輸送の現実~】

石井: 今収録しておりますのが2月13日となっておりまして、実はこの2週間ぐらい非常に日本全国寒波が襲ってまいりました。やはり豪雪地帯である青森において、鉄道事業者にとっての雪対策というのは非常に大問題だということで伺っているのですが、どういう状況で、どんな対策を鉄道会社としてやってこられたのか、このあたりの雪対策、冬対策というところをぜひお伺いしたいのですが。

: やっぱり昨年度も雪が多くて1メートルを超えて、青森市というのは昔から豪雪地帯で、1メートルを超える積雪があると色々な生活面で、例えば道路が狭くなって車を動かしづらくなるとか、いわゆる通勤通学ができなくなるとか。 列車もですね、去年から見ていて1日20センチ、30センチ積もるような雪だと、基本的にはやはり列車を動かすことができないという。

: ところが、今年は去年以上に雪が降りまして。特に1月の20日過ぎから2週間ぐらい、断続的に雪が積み重なりました。20日ぐらいで確か70センチぐらいの積雪量が、1メートル80センチ近くまで倍増以上してきた。なので結果的に、この2週間ぐらい、野辺地(のへじ)―青森というところの区間に関しては、たぶん3分の1も運行できなかったというような状況なんですね。

: 野辺地というのはちょうどその境目になって、野辺地―八戸というのはほとんど雪が降らなかったので、そこはずっと運行できたんですが、野辺地―青森というところが運行できなくて、かなり大変でした。除雪車を毎日出すんですが、全く追いつかない。 ロータリー車とかで、それまでは1時間あたり2キロ、3キロ除雪できていたのが、1キロもできない。なので今まで10時間ぐらいでできていたのが、20時間、30時間。そんな感じで処理能力が全く追いつかない状況でした。

【逆境をチャンスに~インバウンドがもたらす新たな光~】

石井: それはもう本当に関西圏だったり私が住んでいる東京の関東の方では全く想像がつかない世界のお話ですね。この豪雪になるというのも、一つは異常気象の現れということなんですかね。

: 温暖化になると雪が少なくなるんじゃないかと当初言われていたんですが、温暖化になって日本海側の水温がいつもより高くなって水蒸気が上がって、なので降雪量も増えているという記事を読んだことがあって、腑に落ちるというか。あとは雪質が変わってきている。前はそんなに水分を含んでいなくてどちらかと言えば軽い雪だったのが、完全に水分を含んだ重い雪になって、そういう意味でも除雪がなかなか難しくなっている。これは道路の除雪も列車の除雪も同じです。

石井: そうした天候の問題や働き手不足などの課題がある中で、青い森鉄道さんにおいては、観光というキーワードで新しい取り組みをされていると伺っています。具体的にはどんな取り組みを今までされてきたのか、お聞きしたいのですが。

: 20年前は海外から日本に来る人なんていないでしょうという時代もありました。 ところが今や、ようやく地方にもインバウンドの方が行くようになってきて。 私たちは生活している人間は「大雪だ、大変だ」と言っているんですが、海外から来る人はこんな景色を見たことがないと。 なので喜んでいるんですよね。お子さん連れてきて雪見せて。 地元に八甲田山(はっこうださん)という山があるんですが、市内では大体1メートル80センチ、そこに行くと5メートルとか6メートル雪積まっていますので、それを見に行くために、お客さまが全世界から来ているというのが実態ですので。

石井: そうすると観光というのはポテンシャルがあるということですね。

:観光というのは大事だと思います。

石井: 本日は、冬期輸送の現実、また観光への新しい取り組みや期待といったお話も伺いました。次回はこうした課題や取り組みを踏まえたうえで、青い森鉄道が今後どういった取り組み、またはどういった会社になっていきたいかについて、お話を深堀していきたいと思います。東さん、本日も貴重なお話をいただき、ありがとうございました。

: ありがとうございました。

石井: 最後にお知らせですが、今回の放送はradiko、当社YouTubeでご視聴いただけます。そちらもチェックしてください。この番組はWill Smartの提供でお送りしました。