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交通事業者と通信5G技術、近未来を見据えた実証実験とその結果について

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この記事では、主に通信・運輸・建設業界向けに、来年から運用される予定の、第5世代移動通信システム「5G」について、各車両の「自動運転・遠隔操作への応用」を目的とした実験の動向を紹介しています。

5Gは、4Gをより発展させた「超高速」通信に加え、多数接続・超低遅延といった、新たな機能を持つ「次世代移動通信システム」として注目されています。多数接続の機能は、家電・車といった身の回りの機器との通信・連携が、よりスムーズになる可能性を秘めています。また、超低遅延という特徴は、遠隔地でもロボット等の操作をスムーズに行うことを実現するものと期待されています。

2019年7月現在において、すでに実証実験が行われた分野は多岐にわたり、鉄道・トラック・自動車・建築機械など幅広いものです。そこで、それぞれの実証実験において、どのような進展・課題があったのか、概要をお伝えします。

鉄道・自動車

鉄道関連では、ファーウェイが都市鉄道ライトクラウド・LTE-R・5G DISといった各ソリューションを発表しています。乗客への通信サービス提供・列車制御・安全かつ信頼できるデジタルプラットフォームの構築など、いずれも車内外における「鉄道を巡る通信状況」を大幅に改善することが期待されています。
また国内では、JR西日本が総務省実施の5G実証実験に協力しています。2019年2月18日から22日まで、東海道本線(JR京都線)島本〜高槻間で行われた実験では、鉄道が持つ独特の環境で5G通信が可能かどうかを検証しました。
その結果、ハイスピードカメラで撮影されたハイフレームレート映像の高速送信や、4Kカメラで撮影された途切れのない映像のリアルタイム送信など、120km/hを超える走行時にも5G通信が十分可能であることが実証されました。

自動車では、愛知県で産官学連携による「5G等を活用した複数の遠隔監視型自動運転の実証実験」が行われました。埼玉工業大学の大学院生がシステム監視者として遠隔監視制御を担当し、運転席にドライバーがいない車両で5Gを用い、交通量の多い公道を「時速30km・2台同時」という条件で走らせることに成功しています。

高速移動中のスムーズな通信環境の提供・遠隔監視制御による自動車の自動運転の実現など、私たちの生活をまったく新しいものに変える技術が実用化されようとしています。

 

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運輸

自家用・旅客目的の自動車の自動運転だけでなく、運輸の分野でも5Gを用いた実証実験は行われています。
トラックの分野では、ソフトバンクが5G NRを活用し、新東名高速道路で隊列走行を成功させています。新東名高速道路に設けられた約14kmの試験区間につき、有人運転のトラックを無人運転のトラック2台が追従する形で実験が行われ、車両間で位置情報・速度情報を共有して、リアルタイムで車間距離を自動制御する形で隊列の維持を実現しました。車間距離の自動制御は世界初の快挙であり、今後の実用化に役立つことが期待されます。

出典元:ソフトバンク https://www.softbank.jp/biz/5g/

 

建機

建設機械に関する分野では、人命の安全を確保する観点での実証実験が行われました。
KDDI・大林組・NECの三社が、建機を遠隔操作により連携させる作業を実施し、成功を収めています。

この実証実験では、2台の異なる建機・バックホーとクローラーダンプを遠隔操作により連携させ、土砂を運搬することに成功しました。複数台のカメラ映像・音声情報を5Gでリアルタイムに伝送し、作業員が搭乗しているときと同じような操作性ができることを確認しています。

大規模な地震が度々起こる日本では、社会インフラの迅速な復旧・作業員の安全の確保という、ある意味では相反する条件が求められます。無人で建機を操作する「遠隔操作システム」の活用は、そのような矛盾を解消する、極めて重要な技術の一つになるでしょう。

 

まとめ

5G技術は、IoT時代において、ICTの基盤となる技術と言っても過言ではないでしょう。
活用の幅は4Gに比べてはるかに広く、特に自動車分野・建設分野などで応用が期待されます。

今回取り上げた分野の他では、超高齢化社会を見越した「パーソナルモビリティ」も、次世代モビリティの分野で注目を集めています。タブレットを装着した原動機付の歩行補助者(電動車いす)で、インバウンド向けの翻訳機能など多機能を駆使し、観光スポットなどを巡れるよう開発を進めています。

将来的に法整備が進めば、公道での実証実験もよりスムーズに行われるようになり、参入企業も増えることが予想されます。企業だけでなく、国家レベルで近未来を見据えた投資ができるかどうか、日本という国の先見性が問われています。

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