カーシェアリング市場が伸びている理由とは
「シェアリングエコノミー」の一つであるカーシェアリングは、国内市場が年々拡大しています。市場拡大の理由としては、利用者のニーズにマッチしていること、そして近年叫ばれている「低炭素社会」を実現する一役になり得ることが挙げられています。また導入企業側のメリットが多々あることも市場を伸ばす後押しとなっているようです。
今回はカーシェアリングシステム導入にご興味のある事業者向けに、カーシェアリングの利点や参入企業が増えている理由などをご紹介いたします。
目次
カーシェアリングシステムは利便性の他に低炭素社会の実現効果も
利用者にとってカーシェアリングの魅力は、「自動車を持たずして持つことができる」ことです。自分だけの自動車を手に入れようと思うと、購入費用がかかることはもちろん維持するための燃料費や車検代や自動車税など、あらゆる費用が必要になります。
また都心部では駐車場問題も深刻であり、自宅敷地内に自動車を停められない場合は駐車場を借りる必要があります。都心へ近づくほど駐車場代は高額になり、さらには空きがないという事態も珍しくはありません。
その点カーシェアリングは駐車場の心配がいらず、コストも利用する複数人とシェアするため、大きな負担はありません。カーシェアリングシステムは利用者のツボを押さえた革新的なサービスと言っても過言ではないでしょう。
また、カーシェアリングの自動車を走行のためではなく、「休憩スペース」として使う人も増えています。人目を気にせずくつろげることから、仕事の合間や少しの空き時間に利用したいと考える人が増えています。
さらに、カーシェアリングは利用する人にとってメリットが多々あるだけでなく、地球環境に貢献する効果もあります。パリ協定以降、二酸化炭素排出を大幅削減しようという動きは、行政や企業のみならず一般の人々の間にも少しずつ広がりを見せています。
従来の自家用車移動の場合、時間やコスト、二酸化炭素の排出量などを意識することはあまりなかったものの、カーシェアリングは「使った分のコストを支払う」という仕組みのため、利用者側も「より最低限の走行」になるように移動方法を検討するようになっていきます。こうした一人一人の賢い選択によって、二酸化炭素排出を抑えて地球温暖化に一役買うことにもつながっています。
カーシェアリングに最適な「電気自動車」
エコとして呼び声の高い「電気自動車」も、現段階では航続可能距離の短さ、充電場所を探す手間、充電に時間を要する点などが課題となり、一般家庭にはまださほど普及していない現状があります。一方、カーシェアリングの場合は短距離で利用されることがほとんどで、走行途中に充電が必要になることも少なく、駐車場に充電機器を設置すれば充電における手間もほとんどありません。
政府が打ち出す「2050年までに温室効果ガス80%減」という目標に向かうために、私たちの日々の移動方法の選択にはさまざまな対策がとられていくことになります。
それと共に消費者の意識もさらに高まることが予想されます。自家用車として十数年保有するには壁が高くても、カーシェアリングで数時間利用するのなら「多少費用が高くても電気自動車に乗りたい」と考える人々が今後増えていくのではないかでしょうか。
カーシェアリング導入企業が増える理由の一つは「無人」
カーシェアリング市場に参入している企業は多種多様であり、月日とともにその数は伸びています。なぜ参入企業が増えているのかについては、上記で述べた点のほか「無人」で運営できることも導入企業側にとって大きな利点であることが挙げられます。
少子高齢化の進展に備え、人が行う仕事を減らすことは企業の直近の課題となっています。AIやロボット・システムなどの開発が進められ、現段階でも多くの業界が人手を減らすことに成功しています。カーシェアリングは、登録・予約はネット上で行い、自動車の受け渡しも専用カードでできるため、「無人店舗」としてサービスを開始できることから、労働力人口の問題を最初からクリアすることが可能です。
また24時間365日いつでも自動車の貸出・返却ができることも大きな利点となっています。人件費を大幅に削減しつつサービスを無駄なく提供できるため、最大限の利益が獲得できます。このように導入企業にとってメリットがあることもカーシェアリング市場拡大の理由となっています。
まとめ
カーシェアリングシステムは、利用者・地球環境・導入企業それぞれメリットがある「三方良し」のサービスです。迫りくる労働力人口問題の解決の糸口にもなり得るでしょう。また「走行」以外の汎用性があることからも、今後はさらに伸びることが予想されます。実際に自動車メーカーをはじめ、レンタカー会社や不動産会社などあらゆる企業が続々と市場参入し、他社とは異なるセールスポイントがカーシェアリング市場を抜き出るための鍵となってきます。今後もカーシェアリング市場と参入企業の動向には大いに注目が集まっていくでしょう。
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