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押し寄せる観光客が地元住民の生活に悪影響を及ぼす「オーバーツーリズム」の対策とは?

近年、全国の観光地では観光客が追し寄せて地元住民の暮らしに支障が出る「オーバーツーリズム」が問題となっています。
本記事ではオーバーツーリズムがもたらす観光地の課題やオーバーツーリズム解消に向けた観光庁の取り組みや2024年1月から公募が始まった補助事業について解説します。

オーバーツーリズムとは?

オーバーツーリズムとは特定の観光地に国内外の観光客が押し寄せ、地域住民の生活や自然環境、景観等に対して支障が出る状態のことで、「観光公害」とも呼ばれます。
国内でもオーバーツーリズムが課題となっている観光地が多く存在します。例えば、世界遺産の清水寺(京都市)の近くのバス乗り場では観光客が多く乗り込むため、普段からバスを利用する地域の住民が乗れないという事態が発生しています。北海道美瑛町では美しい景観を写真に収めようと農地に無断で立ち入る事例が、神奈川県鎌倉市では人気アニメの「聖地」として知られる江ノ島電鉄鎌倉高校前駅近くの踏切周辺の混雑や駐車違反などが問題となっています。
コロナ禍で落ち込んだ外国人旅行者が急激に回復したことや、観光業界の人手不足などが原因の一つとなっており、早急な対応が求められています。

観光庁の取り組み

観光庁は2023年9月に関係省庁とオーバーツーリズム防止に向けた施策や取り組みを検討・実施するための対策会議を開催。10月には「オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた対策パッケージ」を公表しました。観光客の受け入れと住民の生活の質を確保することを両立するためには「地域自身があるべき姿を描いて、地域の実情に応じた具体策を講じることが有効※1」で、取り組みに対して国として総合的な支援を行うとしています。
対策パッケージ内では「観光客の集中による過度の混雑やマナー違反への対応」として観光客が集中する路線バスから鉄道への分散を促進することや看板・デジタルサイネージ等の設置支援や多言語での情報提供などの取り組みが挙げられています。また、地方の観光地の魅力を向上し都市部の観光客への集中を是正することや、地域の関係者の協議に基づいた計画策定への支援など観光客を分散させる取り組みも挙げられています。
※1)オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた対策パッケージ(令和5年10月18日観光立国推進閣僚会議決定)閣僚会議決定)より引用(https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001705662.pdf)

オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた対策パッケージ(令和5年10月18日観光立国推進閣僚会議決定)より引用
(https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001705662.pdf ) 

最大補助額8,000万円!観光庁がオーバーツーリズム防止に向けた公募を開始

観光庁は2024年1月25日に観光客の受け入れと住民の生活の質の確保の両立を目指し、オーバーツーリズムの防止に向けた事業の公募を開始しました。
オーバーツーリズムの未然防止・抑制への効果が期待される「受入環境の整備・増強」「交通の対応力強化」「看板・デジタルサイネージの設置」などの取り組みが支援対象となっており、補助上限は8,000万円(補助対象経費上限1.2億円)※2です。公募受付期間は2024年2月15日まで、公募要領や申請に必要な様式は観光庁のホームページ(外部サイトへリンクします)に掲載されています。
※2) 先駆モデル地域型での申請の場合

観光庁HP(https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001719773.pdf)より引用

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