デジタルサイネージとは?今さら聞けない基礎構成から導入メリットまで徹底解説
最近、駅や公共施設、病院や商業施設などで、これまでのポスターやチラシといった紙媒体の掲示物から、電光掲示板に時刻表や広告などを表示させるものが増えてきました。この電光掲示板を「デジタルサイネージ」と呼びます。本記事では、デジタルサイネージの基礎的な構成から、導入に伴う全般的なメリットまでを解説します。
目次
デジタルサイネージの構成(ハードウェア)
ディスプレイ
デジタルサイネージのディスプレイには小型・中型サイズの一般的な液晶ディスプレイから、大型LEDやタッチパネルなどの種類があり、用途により使い分けられています。
また、普段お使いのテレビモニターやPCモニターの利用することも可能です。様々なメーカーから多様なディスプレイが販売されているので、設置環境に応じて最適なものをお選びいただくことができます。
筐体(きょうたい)
屋外などの天気や環境による機器への影響が考えられる場所に設置する場合は、モニター・STBを防護するための筐体が必要になります。防水・防塵の規格(IP規格)も定められており、事前にどれだけの耐性が必要か設置環境の調査が必要になります。また気温の変化によって筐体内の温度が上昇しディスプレイやSTB(後述)の劣化や故障が発生する場合があるため、必要に応じて温度センサーやファンの設置といった対策も必要になります。
そのため筐体については設置環境に応じて、あらかじめディスプレイとセットになった既製品を導入する場合もあれば、特注の筐体が利用されることもあります。
STB(セットトップボックス)
STBは、サイネージ上でコンテンツを再生するためのプレイヤー(通信型映像表示機器)です。
サイネージ利用に必要な機能はシンプルなため、通常のPCと比較して「本体が小型化可能」「安価」「起動が早い」などの利点があります。
最近ではあらかじめディスプレイにSTBの機能が内蔵されているタイプもあります。
ネットワーク機器
サイネージのコンテンツをインターネットを経由して更新するサイネージを導入する場合は、インターネットに接続するネットワーク機器が必要です。設置環境や機材に応じて「有線LAN」「無線Wi-Fi」「モバイルルータ」などの選択肢から、機能を満たすものを導入します。また、配信コンテンツのデータ量に応じて、回線速度や契約する通信量の確認が必要となります。
※その他、設置環境に応じて、壁掛け金具、スタンドなどの設置備品に加え、電源がない場合は電源工事が必要となります。
デジタルサイネージの構成(ソフトウェア)
CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)
サイネージに配信するコンテンツを管理したり、放映スケジュールを管理するシステムです。インターネットを経由して更新するサイネージを導入する場合は必須になります。
コンテンツ
コンテンツとは、サイネージに表示させる静止画や動画などのファイルことを指します。モニター(インチ数)のサイズや解像度により見え方が異なるため、画面サイズや解像度に応じたコンテンツを作成する必要があります。
デジタルサイネージ導入に伴う全般的なメリット
ここまではデジタルサイネージの特長を述べてきましたが、ここからは実際にデジタルサイネージ導入によるメリットをまとめていきます。
① 情報の配信、更新が簡単
ポスターなどの紙媒体では、掲示場所の確保、撤去、さらにはキャンペーン毎の入れ替え等が非常に煩雑で、ポスターの貼り方によっては視認性や見栄えが悪い等の課題もありました。
デジタルサイネージはひとつの画面に複数の情報を表示することができます。USBの抜き差しや、ネットワークでの情報配信、更新ができるなど管理面での利便性が格段に増し、常に最新の情報の提供が可能となります。
また紙媒体と異なり、常にきれいなディスプレイでお客様に情報をお伝えすることも可能です。
② 紙媒体では不可能な情報配信が可能
デジタルサイネージは画面が明るく鮮明なため、夜間など紙媒体の視認性が悪くなる場所でも情報の提供が可能です。
また、画面のスライドや、画面分割、動画での配信が可能となるため、情報量の多いコンテンツも配信可能になります。
それにともない、企業のブランディングや販促などの戦略の幅が飛躍的に広がります。
③one to one の情報配信が可能になる
後述するネットワーク型サイネージでは、ネットワークにつながっているため即時での情報更新が可能となります。
そのため、時間帯に応じた情報の切り替え、天候に応じた情報の切り替え等、周辺環境に合わせた、タイムリーな情報配信が可能です。
また、最近ではディスプレイと合わせてカメラをオプションで設置することで、人の年代、性別等に合わせて、画面を切り替える、one to one の情報配信を行う事例も増えています。
さらに、こちらも後述するインタラクティブ型(タッチパネル)サイネージは、お客様自身での情報検索が可能となり、サイネージを通して双方向でのコミュニケーションが可能となります。
デジタルサイネージの種類
①簡単、安価なスタンドアロン型
スタンドアロン型のサイネージは、USBなどのメモリに表示させたいコンテンツを保存しそれをサイネージに接続することで、ネットワークにつながっていない状況でも広告や案内などの情報を表示することが可能です。複雑な操作もなく安価に利用できるため、初めてサイネージを検討される方は導入しやすい一方で、更新頻度が多い、情報更新するサイネージが複数ある場合などは管理・更新が煩雑になるので次に記載するネットワーク型の導入をお勧めします。
②管理、更新が便利かつスピーディーなネットワーク型
ネットワーク型のサイネージは、複数拠点で導入する場合、一括で配信管理したい場合、よく配信内容を差し替える場合など、公共交通機関、商業施設、他拠点にまたがる小売店、工場などへの導入にお勧めです。
ネットワークにつながっており、遠隔での更新が可能なので、インターネットを通して一人の担当者がまとめて配信管理ができることや、スピーディーに情報配信、更新ができること、また後述するインタラクティブ型(タッチパネル)サイネージのような、双方向でのコミュニケーションが可能になる一方で、ネットワーク回線や配信システムの費用が発生する等のデメリットもあります。
③双方向でのコミュニケーションが可能なインタラクティブ型
インタラクティブ型はタッチなどの動作でサイネージの表示コンテンツが変化するなど、双方向でのコミュニケーションが可能な、ネットワーク型+αのサービスです。
何かを検索する際に用いられたり、人の動き、属性に反応してその人に最適化された情報を表示させるなど様々な活用方法があります。
まとめ
本記事では、デジタルサイネージのハード面での仕組み、またシステムやコンテンツといったソフトウェア、さらには、導入メリットから多種多様な種類について解説しました。デジタルサイネージは多様な可能性を持った存在です。業種を問わず、視認性が向上することで、周辺の競合店舗に差をつけることができるジタルサイネージは目的に合わせて利用することができます。またお客様へ魅了的に商品を訴求することはもちろん、利用の仕方によっては導入側の業務効率化への手助けにもなる強力な媒体です。
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