「密」回避、リアルタイムで混雑状況がわかる新サービスの実験
新型コロナウイルスの感染拡大により、移動中の「密」の防止や不要不急の外出の自粛が求められたことで、公共交通機関の利用減少により交通事業者や沿線の商業施設は大きな影響を受けており、今後の新しい生活様式として、密を避けつつ、それらの事業者や利用者が安全・安心に毎日を過ごせる新しい仕組みづくりが必要不可欠となっています。
今回は、混雑情報や経路情報、店舗情報などを複合的に組み合わせ利用者に提案することで、人々の生活の質を向上と、交通事業者と商業サービスの持続可能な経営のサポートを両立する、新常態（ニューノーマル）に対応した仕組みを実現化するために行われた実証実験とサービスの内容についてご紹介いたします。
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目次
「密」回避の新サービスとは
株式会社日立製作所と西日本鉄道株式会社は、交通データを分析して最適なバスダイヤ編成を支援する次世代バス事業に関する協創などに取り組み、快適なまちづくりにも配慮した利便性の高い持続可能な公共交通モデルのあり方を検討してきました。両社はニューノーマルな社会に即した移動と経済の活性化を両立するために、日立独自の「ナッジ(促す)応用技術」を活用して公共交通機関利用者の行動変容を促す実証実験を2021年3月17日から実施しています。
本実証実験にはリアルタイム空き情報配信プラットフォーム「VACAN（バカン）」を通じて取得したリアルタイム混雑状況を利用し、日立が提供する実証用Webアプリを用いて行われました。
リアル空き情報配信「VACAN」
VACANは、株式会社バカンが展開している、お店や施設のリアルタイムの空き情報をスマホ等で見られるよう配信するサービスで、ボタン型の専用機器（名称：IoTボタン）やAIカメラを活用して、スマホのマップ上に表示される混雑状況を更新することができます。混雑状況表示は、「空きあり」「やや混雑」「満」の３段階で表示されます。
実証実験の概要
今回の実証実験は、この仕組みを活用して参加者の行動変容を促し、参加者と交通事業者、周辺の商業施設の三方がメリットを享受できる仕組みの構築を検証しています。
1.エリア 福岡県天神・博多エリアの商業施設
2.実施 2021年3月17日～
3.概要 本実証実験は、西鉄バスの、福岡市の天神・博多エリアを通る便を対象として、スマートフォンで使えるWebアプリを用いて実施されます。本実証実験の参加者がWebアプリで経路検索を行うと、事前に入力した参加者の好み、天候を加味した交通混雑予報、商業施設のリアルタイム混雑情（VACANを活用）、目的地への経路情報を組み合わせた、混雑を回避するルートや時間の過ごし方などの移動パターンが表示されます。これにより、参加者の行動変容を促し、参加者と交通事業者、周辺の商業サービスの三方にメリットをもたらすことを目指しています。
今後について
株式会社日立製作所と西日本鉄道株式会社は、本実証実験を通じて、ストレスフリーな移動による交通機関利用者のQoL向上と同時に、移動の平準化や分散、商業サービスへの誘客やピークマネジメントを実現し、ニューノーマルな社会における持続可能な公共交通モデルの構築と、地域経済の活性化に貢献したいと考えているそうです。
新型コロナウイルスの感染拡大により変わってしまったわたしたちの日常に、今後、上記のような便利で安心できるサービスのニーズは高まっていくでしょう。
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