
ガソリンスタンドは進化する〜ENEOSが描くサービスステーション「次世代化」〜
ガソリンスタンドは進化する〜ENEOSが描くサービスステーション「次世代化」〜
| 第22回のゲストは、ENEOS株式会社・SS戦略部副部長の沖田洋之さん(前編)。全国約1万1,500カ所のサービスステーション(ガソリンスタンド)を展開するENEOSが、石油需要の変化・人手不足・EV普及という三重の波にどう立ち向かうか。公式アプリでQRコードをかざすだけで給油・決済・ポイントを一括完了する「高度化」と、インドアゴルフ・外食チェーン・マイクロモビリティを取り込む「複合化」、次世代サービスステーションの全貌を語っていただきます。 |
- 番組名
- 『まちと移動のミライコラボ』全文書き起こし
- 放送日
- 2026年6月7日
- ゲスト
- 沖田 洋之 氏(ENEOS株式会社 SS戦略部 副部長)
目次
【オープニング】
石井:この番組では、移動と街づくりをキーワードに、日本の移動インフラや都市のあり方がこれからどう変わっていくか、第一線で取り組まれている方々と一緒に考えていきます。本日のゲストは、全国に約1万1,500のサービスステーションを展開されているENEOS株式会社・SS戦略部副部長、沖田洋之さんです。沖田さん、よろしくお願いします。
沖田:よろしくお願いいたします。ENEOSの沖田です。
石井:実はENEOSさんとは以前から様々なお仕事に取り組ませていただいており、カーシェアの実証実験においてシステム開発を当社が担当させていただいたというご縁から、今回のご出演に繋がりました。その節は大変お世話になりました。
沖田:こちらこそ、本当にありがとうございました。
石井:当時からサービスステーションの拠点をより活性化させていきたいという思いの中からカーシェア事業に取り組まれていましたが、今回はまさにそのサービスステーションの現状最前線についてお話を伺いたいと思います。
【ENEOSのミッションとサービスステーションの役割】
石井:まずはENEOSさんの企業としてのミッションから教えていただけますか?
沖田:ENEOSの使命を一言で言いますと、エネルギー・素材を安定的に届けて、暮らしと産業を支えることです。ENEOSグループ理念として「地球の力を、社会の力に、そして人々の暮らしの力に。エネルギー・資源・素材における創造と革新を通じて、社会の発展と活力ある未来づくりに貢献します」という使命を掲げています。この「地球の力」とは、地球由来の自然資源エネルギーのことを指しています。
石井:地球の力を暮らしの力に変えていく、非常に大きなミッション・ビジョンですね。その中で、サービスステーションはどのようなミッションを担っているのでしょうか?
沖田:やはり石油製品の安定供給、これに尽きると思います。全国の製油所・油槽所からタンクローリーが走り、ガソリンや軽油を皆さんの町のサービスステーションに届け、日々の移動を支えています。この「当たり前を止めない」ことが、私たちの最も大切な役割と考えています。サービスステーションはまさに、この番組のテーマ「町と移動」に通じる存在でもあると感じています。
石井:当たり前を支えるということ。災害時も同様ですよね。社会インフラそのものを展開されている会社ということですね。
【SSを取り巻く環境と課題〜EV・人手不足・収益構造の変化〜】
石井:サービスステーションには直営店から特約店・地域の事業会社さんによるフランチャイズなど様々な契約形態があると伺っていますが、その辺りの構造・規模について教えていただけますか?
沖田:ENEOSは全国1万1,500のサービスステーションと申し上げましたが、各地には特約店様・販売店様と呼ばれる運営店の方々がいらっしゃり、運営の多くはその方々に委ねている状況です。
石井:そうした中で、サービスステーションを取り巻く環境において今ホットなトピックはどのようなものでしょうか?
沖田:課題としては、まず石油製品の需要そのものが落ちていることに伴う収益構造の変化があります。また人件費や地下タンク・計量機などの設備更新費用・補修コストといった運営コストの上昇も続いています。加えて、働き手の確保や特約店・販売店の後継者が不在というケースもあります。多くの業種共通の課題ではありますが。
石井:やはり燃費向上やEV・ハイブリッドの普及が影響しているということですね。EV普及となった場合、サービスステーションの役割も変わっていくのでしょうか?
沖田:私たちとしては、EV然り、水素自動車然り、どのような燃料に対しても対応できるサービスステーションを目指しております。
石井:セルフ型が一般化して半数近くを占めるようになりましたが、それでも人手不足の影響はあるのですか?
沖田:日本のセルフサービスの店舗も完全に無人ではなく、お客様が給油される際に安全を確認して給油を許可するプロセスが必要です。そのため今もスタッフが在籍しており、人材確保の問題と無縁ではありません。
石井:そこで働く方々には資格・技能要件も伴うということですね。
【サービスステーション次世代化の取り組み〜高度化と複合化〜】
石井:SS戦略部としてはどのような打ち手を考えられているのでしょうか?
沖田:石油元売会社として、かねてよりサービスステーションの魅力を高めるための施策を継続してきました。洗車・オイル交換・車検といった車両周辺サービスはもちろん、約20年前からコンビニやコーヒーショップの併設を進め、近年はランドリーの導入にも取り組んできました。そして最近では、「サービスステーションの次世代化」をキーワードに、既存の枠にとらわれない新しい取り組みにも挑んでいます。
石井:次世代化、具体的にはどのような取り組みですか?
沖田:大きく2つあります。一つ目が「高度化」。利便性を高める取り組みで、例えばENEOS公式アプリを使うと、画面のQRコードを計量機にかざすだけで給油・決済・クーポン適用・ポイント付与が一度に完了します。いつも満タンで給油する方であれば、あらかじめ設定しておくことでさらにスムーズになります。二つ目が「複合化」。サービスステーションを給油だけの場所から多機能拠点へ進化させる取り組みです。例えば、インドアゴルフや外食チェーンの併設、電動自転車などマイクロモビリティの設置、あるいは「所有から利用の時代」を見据えたENEOSカーリースの提案など、様々な取り組みを展開しています。
石井:高度化は給油という作業をいかにスムーズに完了させるか、複合化はその後も敷地内に滞在していただき他のサービスを体験していただくということですね。効率化とともに付加価値を高めていく。コンビニ併設型は以前からありましたが、今やインドアゴルフ・外食・マイクロモビリティと非常に多岐にわたっていますね。特におすすめのサービスはありますか?
沖田:インドアゴルフはぜひ体験していただきたいです。屋外の練習場が減ってきている中、暑い日や寒い日でも快適な環境で練習できます。お車を停めてゴルフバッグを持っていただければそのまま利用できますので、車で来られるゴルフユーザーの方には特に親和性が高いと思います。インドアゴルフのニーズは高まっていて、首都圏を中心に全国では現在1,500店舗ほど展開されています。
石井:1,500店舗とは驚きですね。今日は、ENEOSさんが掲げるミッション、サービスステーションを取り巻く環境、そして様々な取り組みについて詳しくお話を伺いました。次回の後編では、複合化の取り組みがどのような形にさらに進化していくか、未来像について深くお話を伺います。沖田さん、今日はありがとうございました。
沖田:ありがとうございました。
石井:なお今回の放送は当社YouTubeでもご視聴いただけます。ぜひチェックしてください。この番組はWill Smartの提供でお送りしました。












