
インドアゴルフから宅配ハブまで〜ENEOSが仕掛けるサービスステーション「複合化」の全貌〜
インドアゴルフから宅配ハブまで〜ENEOSが仕掛けるサービスステーション「複合化」の全貌〜
| 第23回のゲストは、ENEOS株式会社・SS戦略部副部長の沖田洋之さん(後編)。50〜60平米の遊休スペースを生かしたインドアゴルフは実証2カ所から全国展開へ。さらに三菱商事との合弁会社でラストワンマイル配達のハブとしてサービスステーションを活用する新モデルが始動。全国1万1,500カ所のネットワークが物流2024年問題の解決に挑みます。「燃料を入れる場所に留まらず、地域の暮らしと移動を支える拠点へ」、ENEOSが描く複合化の全貌を語っていただきます。 |
前編はこちら「ガソリンスタンドは進化する〜ENEOSが描くサービスステーション「次世代化」〜」
- 番組名
- 『まちと移動のミライコラボ』全文書き起こし
- 放送日
- 2026年6月14日
- ゲスト
- 沖田 洋之 氏(ENEOS株式会社 SS戦略部 副部長)
目次
【オープニング〜将来のサービスステーション像〜】
石井:前回に引き続き、ENEOS株式会社・SS戦略部副部長、沖田さんをお迎えしております。沖田さん、今週もよろしくお願いします。
沖田:よろしくお願いします。
石井:前回は、全国のサービスステーション店舗数がピークの1990年代半ばの約6万店から現在約2万7,000店まで減少しているという現状と課題感、そしてENEOSとして取り組む「高度化」と「複合化」というキーワードのもとでの次世代化についてお話いただきました。今日はその複合化、付加価値をつけることで利用者を増やしていく取り組みをさらに掘り下げていきます。まず改めて、将来のサービスステーションのイメージをお聞かせいただけますか?
沖田:給油に加えて、EV充電や水素ステーションなどエネルギーの多様化にも対応しながら、生活や移動を支えるサービス機能を併設させていく。つまり、街と移動のインフラとしてのサービスステーションをイメージしています。
石井:まさに番組のテーマそのものですね。複合化を進める上で重視されているポイントはどのようなものですか?
沖田:2つあります。1つ目は「ニーズ」です。利用者のニーズはもちろん、サービスステーションを運営される方々のニーズ、さらに連携するビジネスパートナーの出店戦略に合うかどうか、関係する皆さまのニーズが揃っているかが基本でとても重要です。2つ目は「サービスステーションとの適合性」です。既存の建物や遊休スペースを活かせるかどうか。建物の新設や大規模な改修が必要になるとコスト負担が大きくなりますので、ここは常に意識しています。
【インドアゴルフの実証から全国展開へ〜遊休スペースがゴルフ場に〜】
石井:前回ご紹介いただいたインドアゴルフについて、どういった切り口で実証し、展開に繋がったのでしょうか?
沖田:まさに「適合性」がポイントでした。サービスステーションには販売室という形で約50〜60平米のスペースがありながら、活用しきれていないケースがあります。そのスペースがインドアゴルフにちょうど良いサイズだったこと、駐車スペースが確保しやすいこと、予約からサービス利用まで顧客がセルフで行うためスタッフの負担が大きくないこと——この3つの適合性から2カ所で実証し、手応えを得たことから今年3月より全国展開を進めています。
石井:お客様の視点では、給油ついでというよりも練習が目的になり、合わせてガソリンも入れるという流れもありますか?
沖田:そうですね。商圏調査を行った上で出店し、SNSを活用した会員募集は順調に進んでいます。運営店側からは、運営負荷がそこまで大きくないこと、新たなお客様が来店されるという点が評価されています。
【宅配ハブとしての活用〜三菱商事との合弁でラストワンマイルに挑む〜】
石井:複合化のもう一つの柱として、宅配ハブとしての活用を進めていらっしゃるとお聞きしています。物流の2024年問題が本格化する中で、サービスステーションが解決の一翼を担える可能性があるということですね?
沖田:はい。三菱商事様と共同出資した合弁会社で、サービスステーションをラストワンマイル配達のハブとして活用する取り組みを進めています。全国1万1,500カ所のENEOSのサービスステーションはお客様の住まいの近くに立地しており、車両の来店を前提に設計されているため物流車両の待機にも適しています。荷物をサービスステーションで一時保管し、そこから近隣のお客様まで届ける新しい物流モデルです。すでに一都三県・中部・関西での実証を重ね、現在約150カ所で実証中。本格展開を見据えて取り組みを進めています。
石井:運営店側のメリットはいかがでしょうか?
沖田:遊休スペースを活用しますので、今まで使われていなかったスペースで物流ラストワンマイルという社会課題に貢献しながら、一定の収益も上げられるという点が評価されています。
石井:新設するよりも今あるインフラを活かしていくという発想が重要ですね。デジタルはどのように機能していますか?
沖田:配送を担うのはギグワーカーの方々で、スマホで空き時間を登録し、SSに来て荷物を受け取り、お客様に配送する。全てスマホで完結するところが働きやすさの一つになっています。
石井:地域に新しい仕事づくりにも寄与されているということですね。
【ENEOSの思いと未来のサービスステーション】
石井:インドアゴルフ、宅配ハブと、既存インフラを本気で活用されているのが伝わりました。改めて、サービスステーション作りへの思いをお聞かせください。
沖田:ENEOSはこれからも、皆さまの暮らしに寄り添う魅力的なサービスステーション作りに挑戦していきたいと思っています。サービスステーションを燃料を入れる場所に留まらず、地域の暮らしや移動を支える拠点へと進化させていきたい。ENEOSはそうした街と移動の高機能インフラ作りを進めてまいりたいと思っています。どうぞ引き続きENEOSをよろしくお願いいたします。
石井:お近くのサービスステーションに立ち寄られた際には、ぜひご感想をお伝えいただければと思います。店舗スタッフや、アプリを通じたアンケートでもフィードバックが届けられますよね。
沖田:ぜひそのようにお話いただければ、私どもも参考にしながら、これからの複合化を考えていきたいと思っております。
石井:2週にわたって、ENEOS株式会社・SS戦略部副部長の沖田さんにお話を伺いました。身近な社会インフラであるサービスステーションに、これほど多様な取り組みが展開されていること、大変興味深く伺いました。お近くのサービスステーションに立ち寄られた際には、ぜひ思い出していただければ幸いです。沖田さん、2回にわたりありがとうございました。
沖田:ありがとうございました。
石井:なお今回の放送はラジコ・当社YouTubeでもご視聴いただけます。ぜひチェックしてください。この番組はWill Smartの提供でお送りしました。












