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ラジオ:まちと移動のミライコラボ

「行く理由」をどうつくるか〜FDAが描く地域航空の未来〜

「行く理由」をどうつくるか〜FDAが描く地域航空の未来〜

 

第29回のゲストも、株式会社フジドリームエアラインズ(FDA)代表取締役社長・本田俊介さん(後編)。 15機15色に日本の空を彩る「マルチカラーコンセプト」、需要の波を読み解くレベニューマネジメント戦略、そして病院への通院や農泊といった「行く理由」を地域と共につくるエッセンシャルな需要創造まで。人口減少時代にインバウンドをどう取り込み、地域航空会社としてどんな役割を果たしていくべきか、本田さんの描く未来像に迫ります。

前回はこちら 「東京を通らない航空会社〜FDAが貫く「地参地翔」の地域戦略〜」

番組名
『まちと移動のミライコラボ』全文書き起こし
放送日
2026年7月26日
ゲスト
本田 俊介 氏(株式会社フジドリームエアラインズ 代表取締役社長)

【オープニング〜インバウンド開拓と地域共創の未来へ〜】

石井:前回に引き続き、フジドリームエアラインズ代表取締役社長・本田俊介さんをお迎えしています。本田さん、今週もよろしくお願いします。

本田:よろしくお願いいたします。

石井:前回は本田さんのキャリアと、今お勤めのフジドリームエアラインズの「地参地翔」——まさに土地に参画して、土地の人たちと一緒に羽ばたくという理念のお話をいただきました。今日はその先にある訪日観光客の開拓戦略や地域との共創、そして地域航空会社としての未来像を伺っていきたいと思います。

本田:はい。インバウンドについては、私はもう必須だと思っておりまして。日本の人口がどんどん減っていく、生産年齢人口が減っていくという中で、だんだん航空需要が細っていく。ということでは、やはり今後その航空需要をしっかり支えていくためには、国内の需要はもちろんのこと、海外からの需要もしっかりと取っていく仕組みを作っていかなきゃいけないと思っております。

石井:前半の時にもまさに但馬空港の例のお話をいただきまして、自治体さんとの連携というお話もいただきましたが、やはり航空会社単体ではなかなか実現が難しいのかなと思います。自治体さんやその他色んなステークホルダーの方々と、どんな取り組みをしていきたいと考えていらっしゃいますか?

【マルチカラーコンセプト〜15機15色、地域の総力戦〜】

本田:日本は一般的に四季もありますし、地域地域で色んな伝統文化があります。それから食文化、色んな体験もあるということで、本当に各地にいっぱい色んなものがあるんですよね。実際、フジドリームエアラインの飛行機も15機あるんですけど、15色なんですよね。

石井:あ、そうなんですね。

本田:日本の地域に寄り添う会社として、それぞれの地域には色んな特色があるということで、飛行機にもその地域に寄り添う形で色んな色があっていいじゃないかと。それで日本の空を彩ろうという、マルチカラーコンセプトというのを掲げてるんですよね。それぐらい日本には色んな特徴があるという中で、それをしっかりと磨き上げて伝えていくということが必要で、それは航空会社だけではなく、地域の観光関連の会社もありますけども、それだけじゃなくて、伝統文化、教育、産業でも、そういった体験ができるんですね。実は地域で頑張っていらっしゃる皆さんたちと一緒になって総力でやっていくことが必要だと私は思ってますね。

石井:本当に地域に関係される皆さんの総力で、結果約80億人の世界にリーチをしていって、少しでも日本の旬を知っていただくということが大事ということなんですね。分かりました。あと、収益面での改善も合わせて取り組まれているということを伺っておりまして、特にこれは前職の時にも取り組まれてきたというお話で伺っておりますが、レベニューマネジメントの強化というのも掲げていらっしゃるということなんですけど、そもそもレベニューマネジメントとは何かというところから、その強化はどういうところを強化すべきポイントなのか、全体像も含めて教えていただきたいなと思います。

【レベニューマネジメントの戦略〜需要の波を読み解く〜】

本田:レベニューマネジメントというのは、航空会社の場合は座席ですけどね。座席をお客様に買っていただく最高の値段でどう販売していくかということを考える仕組みがこのレベニューマネジメントというようなことで、お客様のニーズが高ければ、その価値に見合った形で航空券の運賃をちょっと上げて、このぐらいだったらお客さんに買っていただけるだろうと。逆になかなか価値が付けられないような時間帯とか曜日とかについては、値段を下げながら需要を喚起していく。これをレベニューマネジメントと言うんですね。原理原則、座席が余ってる時には運賃が下がっていって、少なくなると上がっていく。今はホテルですとか、色々どこでも取り入れられているレベニューマネジメントというのをやっております。今、平日の火・水・木と、1月・2月・7月、ここが需要が低い時期なんですよ。火・水・木というのは、さっき申し上げた、ビジネスが減ってます、団体の人が減ってますということで、平日はへこむんですね。結構お得に行けます。日本人は節目を大事にするので、年が変わって1月とか、ここが弱いんですよ。年末年始の年始の部分は帰省とかで伸びるんですけど、そこから先の、年始過ぎた1ヶ月間は弱いですね。4月も弱いんですよ。日本人って節目があって初めてそこから物事を考え出すので、そんな感じがしたんです。

石井:なるほど。一方で、人の動きで言うとインバウンドの方と日本人の方の旅行の動きって違うものなんですか?

本田:季節はほとんどインバウンドの方は関係ないですね。来られる季節も国によって全然違ってきています。さっき申し上げた冬の時期ですと、スキーだと欧米の方やオーストラリアからいらっしゃいますし、桜の時期になると全世界からいらっしゃったって感じですかね

【地域航空会社の未来像〜「行く理由」をつくる、エッセンシャルな需要創造〜】

石井:分かりました。ありがとうございます。次のテーマに移りたいと思うんですけれども、これはどちらかというと未来の話で、まさに地域との連携、地域共創——ともに作る共創と地域航空のこれからについて。地参地翔という理念のもと、今後具体的にはどういうことをやっていくべきか、その中で改めて、地域航空会社というのはどうなっていくべきなのか、どういう役割を果たしていくべきなのかということについて本田さんの考えを伺わせていただけますでしょうか?

本田:地参地翔と私どもが言っている通り、やっぱり需要をいかに作っていくかということを考えていく必要があると思いますね。単に観光のプロモーションとか、それはもちろんやるんですけども、それだけではなくて、地域に行く理由付け、こういったことが必要になって。例えば今ちょっと取り組みをして、この間発表しましたけども、名古屋に特殊な医療ができる病院がございまして、そこに地方から定期的に通えるような運賃を作ったりですね。

石井:ああ、そういうことですか。

本田:そうするとやっぱり行く理由ができてくるということで、今度はお医者様がそういった地方に行かれるケースもありますし、そういったエッセンシャルな需要をしっかり作っていく仕組みを作っていくということもありますし、先ほどのチャーターみたいな形で、需要をないところ、路線がないところに作っていくというところですとか、色んな形で工夫をしていく。これはもう色んな産業体験とか農業体験とか、農泊なんかもそうなんですよね。ファームステイというところで、以前ヨーロッパの方に見に行きましたけども、ヨーロッパではもう農泊が当たり前のようにやられてるんですね。その農泊を、日本でも農家はたくさん地方にありますので、ぜひ日本に広げたいなというところですね。そういった取り組みもありますし、色んな形の産業と連携しながら、そこに行く理由作りというのは、これから先はやっていきたいと思ってます。

石井:なるほど。今おっしゃったのは、病院の例も農泊の例もそうですけれども、マス的な需要というわけではなく、ただどうしてもそこに行きたくなるもの、行かなきゃいけないものというのが、場合によっては非常にニッチなものもあるかと思いますが、そういったものをしっかり繋いでいく役割ということなんでしょうか?

本田:そうですね。一つ一つが小さいかもしれませんけども、それを色んな形でニーズを拾って、つなぎ合わせていくということが必要だと思います。それからあとは、やっぱり空港アクセスですね。そこがやはり、地方空港に行くと、アクセスがない、二次交通がないというところなんですね。必ず行く目的とそこに行く交通手段、これとあとプロモーションがセットになって初めて、このバリューチェーンが繋がるということ。そこはすごく大事な要素だなと思いますね。

石井:なるほど。そういった中でやはりデジタルの役割、道具・ツールとしてのデジタルは非常に重要だと思いますけれども、本田さんはその今後の戦略を実現するためにデジタル分野の活用をどのように捉えていらっしゃいますでしょうか?

本田:やはりデジタルについては、私どもの実際の会社の業務もそうでしょうし、移動するための社会インフラとしても、もう必須なものであって。色んなコストが上がっていく、人がいなくなっていくという中では、その代わりになるのがこのデジタル化でカバーしていくしかないというふうに思っております。

石井:やっぱり最近ではAIの活用なんかも含めて、会社の生産性だけではなく、お客さんの体験も含めて色々使える道具であるということは間違いないでしょうかね。

本田:はい、はい。

石井:分かりました。ありがとうございます。最後に、ラジオをお聞きのリスナーの皆さんに、ぜひFDAが素晴らしいというプレゼンテーションを最後に一言いただきたいなと思いますので、よろしくお願いします。

本田:今、ずっとお話をさせていただきましたけども、フジドリームエアラインは地域に寄り添って、地域のためにある航空会社、社会のため、世のため、人のために自分たちで幸せを描いていこうという、こういう会社でございます。関西の方からですと、神戸からの夏場の青森線、それから花巻線、そして今現在は定期便で松本線が出ております。それから神戸空港から先ほど申し上げたチャーター便も年に何本か出ておりますので、ぜひFDAのホームページを見ていただいて、ご興味があればぜひご利用していただいて、FDAのサービスの素晴らしさを体感していただければと思います。

石井:2週にわたってフジドリームエアラインズが掲げる地参地翔の考え方について深くお話を伺うことができました。地域との連携、これはまさにこれからの日本の大きな取り組むべき課題の一つでもあるかと思います。その最前線で地域との取り組みをビジネスの中心に置いて、より良い旅行、そして移動を作ろうとされている本田さんのお話、とても面白いものだったと思います。本日はどうもありがとうございました。

本田:ありがとうございました。

石井:最後にお知らせですが、今回の放送はradiko、当社YouTubeでご視聴いただけます。そちらもチェックしてください。この番組はWill Smartの提供でお送りしました。