EV充電の利用シーン別の分類とサービス事業者別の特徴
今後、環境意識の高まりから普及が進むと考えられるEV(電気自動車)。ガソリンが要らないEVも当然ながらエネルギーは必要で、EVは充電することなしに利用することはできません。そのEVの充電には充電利用シーンにおいて「基礎充電」「経路充電」「目的地充電」の3つの分類に分けられます。
この記事ではEV充電の利用シーンにおける分類についてそれぞれ解説し、各EV充電器サービス事業者の利用方法と、主にどんなシーンで利用できるかについても紹介します。
目次
充電利用シーンにおけるEV充電の分類
ガソリン車の場合、ガソリンスタンドでエネルギーとなるガソリンを補給しますが、電気自動車の場合には、車載のバッテリーに電気を充電しておく必要があります。ガソリン車の給油時間と比較すると、EV車の充電にはかなり時間がかかってしまうのです。効率的に充電をするためには、いろいろな充電シーンを利用することが望ましいでしょう。EV充電は、その利用シーン別に「基礎充電」「経路充電」「目的地充電」の3つに分類することができます。では、それぞれの充電について解説しましょう。
基礎充電
基礎充電とは、EV車のドライバーが普段もっとも滞在している場所で行う充電のことをいいます。例えば自宅の駐車場であったり、会社の車であればその駐車場であったりするでしょう。その日に車の利用を終えて駐車したら充電を開始し、次に車に乗るまでに充電を完了させるという、ごく一般的な充電シーンです。
経路充電
経路充電とは、目的地にたどり着く前に電力が足りなくなると考えられるときに、外出先で行う充電のことをいいます。バッテリーの残量がほとんどなくなり、緊急的に行うこともあるでしょう。まだ目的地にたどり着いていないので、充電に長時間かかると後の用事に支障をきたしてしまいます。そのようなニーズから、一般的に普通充電ではなく、急速充電が利用されます。ガソリンスタンドやコンビニエンスストア、カーディーラー、ショッピングモール、道の駅、SAやPAなどに充電器が設置されていることが多いです。
目的地充電
目的地充電とは、目的地に到着して滞在している間に行う充電のことをいいます。ショッピングモールに買い物に行って駐車している間に充電をしたり、ホテルや旅館などの宿泊施設で充電をしたり、ゴルフやキャンプ場などのレジャー施設で充電をしたりといった利用シーンです。普通充電施設・急速充電施設の両方ともみられますが、数時間以上滞在する施設では普通充電の方が好まれるようです。
今後、乗用車は本格的にガソリン車から電気自動車へと移行していくでしょう。そうなると「どこで充電できるか」が気になるポイントとなるため、充電設備のあるスポットは増えていくと考えられます。ガソリンの給油にはさほど時間がかかりませんでしたが、EV充電の場合、急速充電を利用するとしても充電するスポットにしばらく滞在しなければなりません。そのため、ガソリンスタンドのような経路充電よりも、目的地充電のニーズが高まっていくでしょう。商業施設や宿泊施設なども、充電設備の有無によって選択する人も増えるのではないでしょうか。今後は特に業種を問わず、充電設備の導入が必須となる時代が来るのかもしれません。
充電設備を導入したい!主な事業者の情報を紹介!
事業所や店舗、マンションなどに充電設備を導入したい場合、充電設備を提供する事業者を選定することになります。これから、主な事業者のサービス利用方法や、どんなシーンで主に利用できるかなどについて紹介します。
ユアスタンド
ユアスタンドは、マンションやオフィス・工場を中心に充電設備を提供している事業者です。導入すると、管理者向けのアプリとして、ユアスタンド専用管理コンソールが提供されます。管理者は営業時間やパスワードの設定、予約状況や利用明細の確認ができ、利用者は専用アプリで充電器の予約や課金ができます。特にマンションへの導入に強く、主に「基礎充電」に利用できる事業者です。
EV充電エネチェンジ
EV充電エネチェンジは、幅広い設置場所に充電設備のサービスを提供している事業者です。導入すると管理者には管理システムが提供され、充電料金の設定ができるほか、EV充電器の稼働状況や売り上げなどを把握することができます。利用者にはエネチェンジが開発した専用のスマホアプリが提供され、施設の場所、営業時間、充電器の空き状況を把握でき、決済もできます。「基礎充電」「経路充電」「目的地充電」のすべてのシーンを網羅している事業者です。
WeCharge
WeChargeは、主にマンションや駐車場、オフィスなど法人向けにも充電設備のサービスを提供している事業者です。管理者は、ウェブ上の管理画面で充電利用履歴を管理することができます。利用者側はスマホアプリの「WeCharge」によって充電設備を利用できます。主に「基礎充電」に利用できる事業者です。
e-Mobility Power
e-Mobility Powerは、すべてのドライバーが気軽に使えるパブリック充電、商用車両向けの充電サービス、一戸建てやマンションなどの住居など、さまざまなタイプの充電設備サービスを提供している事業者です。充電器を設置する人には充電器管理運用サービスを提供しており、設置・保守の手厚いサービスを行なっています。利用者は会員登録をし、スマホアプリの「e-Mobility Power」を使って全国の充電設備を利用できます。「基礎充電」「経路充電」「目的地充電」のすべてのシーンを網羅している事業者です。
日常的に安心して使える充電設備を導入しよう
今後はEV車が急速に普及するにつれ、EV充電の設備も街中でお馴染みの光景として溶け込んでいくでしょう。特に「基礎充電」が重視され、ビジネス上では「目的地充電」の導入も必須となっていくかもしれません。住居や事業所、店舗などに充電設備を導入したい人は、設置費だけではなく、管理システムのわかりやすさ、ユーザーの使いやすさに注目して、目的に合ったサービスの受けられる事業者をよく比較して選びましょう。
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