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役立つ記事

物流分野にも進むスマートシティの取り組みとは?事例も紹介!

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 ICTなどの新技術を用いて、都市や地域の問題を解決していくためのスマートシティの取り組み。なぜこのような取り組みが進められるようになったのでしょうか。物流分野でもスマートシティの取り組みの一環として、業務の効率化や簡素化のために多くの新技術が導入されつつあります。この記事では、スマートシティの取り組みが進められている背景と、物流分野でのスマートシティの取り組みについて詳しく解説し、実際の取り組み事例も紹介します。

なぜスマートシティの取り組みが進んでいるのか?その取り組みが進む分野は?

 全国の多くの都市や地域では、災害・少子高齢化・人口減少などのさまざまな問題に直面しています。これらの問題をICT(Information and Communication Technology)などの技術によって解決を図ることが考えられているのです。さらにICTの活用は問題を解決することに限らず、市民の生活の質を向上させ、効率の良い都市活動や新たな価値の創出を促すことにもつながります。そのような持続可能な都市や地域を目指して、スマートシティの取り組みが進められています。

 また、政府は狩猟社会(Society1.0)、農耕社会(Society2.0)、工業社会(Society3.0)、情報社会(Society4.0)に続く新たな社会として「Society5.0」を提唱しました。これは、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムによって、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会を意味しています。スマートシティはSociety5.0の先行的な実現の場とされており、SDGsを実現するための切り札としても期待され、推進されているのです。

物流分野ではどんなスマートシティの取り組みが進められている?

 物流分野の抱える問題には、人手不足・働き手の高齢化・小口配送の増加によるトラック積載率の低下・CO2の削減や環境負荷の低減といったことが挙げられます。インターネットショッピングの普及や感染症対策として巣ごもり需要が増加したことから、特に個人向けの配送需要は増加し続けているのです。しかし、同時に労働者への負担が増えており、人材が集まらないために人手不足にも悩まされる悪循環が続いています。また運送ドライバーに高齢化の波が押し寄せ、高齢ドライバーによる運転のリスクも心配されるところです。

 物流分野で進められているスマートシティの取り組みは、労働者の業務軽減や人材不足への対応です。将来的にはロボット、ドローンや自動走行トラックなどの新技術を導入するイメージ図が描かれています。物流分野では二酸化炭素の削減のために、トラック輸送を鉄道や船に置き換えるモーダルシフトにも取り組んでいます。物流ロボットを活用することにより、そのような多様な配送手段の組み合わせ、効率的に配送するための輸送時のシェアリング、出荷から納品〜決済までの事務処理の省人化や業務のペーパーレス化を進めることができるでしょう。このような取り組みの結果、単なる業務効率化だけに止まらず、配送の確実性や速さを向上し、環境負荷低減にも貢献します。

物流分野での取り組み事例を紹介!

自動配送ロボットの導入(羽田配送ロボットの導入)

引用:羽田第1ゾーンスマートシティ推進協議会WEBサイトより

 羽田空港は拡張工事を繰り返していますが、現在は使用されておらず「跡地」となっている土地もあり再開発が進められています。羽田空港跡地第1ゾーン整備事業では、この跡地を羽田第1ゾーンスマートシティとし、スマートモビリティやスマートロボティクスなどの新技術を駆使した街づくりが進められています。既に取り組みが始められているのは羽田第1ゾーンスマートシティ推進協議会による自動配送ロボットの導入です。物流センターからテナントまでの構内物流において、ラストワンマイルを自動化し、配送業務を効率化しています。
今後ロボット稼働データや建物3次元データ、データ連携基盤等の新技術が導入されており、人の手を必要としないロボットによる効率的な配送が実現する予定です。

福祉バス等を活用した客貨混載(上士幌町)

引用:イノベーションチャレンジ実行委員会WEBサイトより

 北海道の上士幌町では、イノベーションチャレンジ実行委員会によって、福祉バスの空き時間を利用した貨物輸送を行う取り組みが実施されています。上士幌町では高齢者などの交通弱者のため、買い物や通院に利用してもらうための循環バスが運行されています。この福祉バスの空き時間に商店で購入した商品や、飲食店のお弁当の宅配などの貨物を輸送したり、あるいはバスの運行と同時に貨物を輸送したりなど、旅客輸送と配送事業を重ね掛けた取り組みを行っています。

 また、交通弱者でもなるべく外出の機会を増やして生き生きと生涯活躍ができるよう、移動サービスの利便性の向上が求められてきました。また、住民だけでなく観光客にとっても、交通手段が充実していれば訪問しやすくなるため、地域の活性化も見込めます。しかし、このサービスにも財政負担や運転手不足などの課題が生じる可能性があります。そこでプロジェクトの一環として、自動運転バスの公道実証実験も行われました。住民がスマホで商品配送の手配をすると、自動運転バスが商品を運んで届けます。また、自動運転バスによってどんな人でも気軽に市街地に出かけることができるようになるのです。また、観光客もレンタカーやカーシェアリング・タクシー・レンタサイクルなどさまざまな交通手段から最適なものをMaaSアプリによって調べ、予約をすることもできます。

山岳エリアにおけるドローン物資配送飛行(楽天)

引用:楽天株式会社WEBサイトより

 楽天株式会社は、長野県白馬村の白馬岳で山小屋に物資配送をするため、ドローンを活用した実証実験を実施しました。登山口にある「猿倉荘」から、山頂の山岳宿舎である「白馬山荘」および「白馬岳頂上宿舎」まで、最大約1600メートルの高度差がある中でのドローンによる物資配送の実証実験となりました。楽天は同様に、神奈川県横須賀市や三重県志摩市などでも、ドローン配送に関する取り組みを実施しています。

スマートシティへの取り組みが、よりきめ細やかで効率的な物流サービスを実現する

 物流業界は、業界全体で需要が高まっている一方で人手不足や労働環境の改善、環境保全といった多くの問題に悩まされている業界でもあります。スマートシティの取り組みによって業務負荷が軽減され問題の解決に役立つことはもちろん、新しい技術を活用したサービスで私たち住民のニーズにもきめ細やかに対応できる未来を目指して開発が進められています。

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