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ラジオ:まちと移動のミライコラボ

光が当たらなかった基幹産業へ〜都築電気が挑む物流DXの現在地〜

光が当たらなかった基幹産業へ〜都築電気が挑む物流DXの現在地〜

 

第36回のゲストは、都築電気株式会社・代表取締役社長の吉田克之さん(前編)。1932年の創業以来94年の歴史を持つ都築電気は、1984年に入社した吉田さんのキャリアとともに、OA機器の時代からインターネット、そしてクラウドの時代へと歩みを重ねてきました。「モノからサービスへ」というビジネスモデルの転換、そして長年光の当たってこなかった物流業界への深い関わり、コンビニ配送の現場で培った知見から生まれたクラウドサービス「TCloud for SCM」まで、都築電気が描く物流DXの現在地に迫ります。

 

番組名
『まちと移動のミライコラボ』全文書き起こし
放送日
2026年9月13日
ゲスト
吉田 克之 氏(都築電気株式会社 代表取締役社長)

【オープニング〜都築電気94年の歩みと吉田社長のキャリア〜】

石井:都築電気株式会社、代表取締役社長、吉田克之さんです。吉田さん、よろしくお願いいたします。吉田:はい、よろしくお願いいたします。
石井:まず吉田さんご自身のキャリアについて伺いたいと思います。都築電気さんは1932年の創業以来、94年の歴史を持つ会社だと伺いました。その長い歩みの中で、吉田さんはどんなキャリアを重ねられ、どんな思い出深いエピソードがありますか。

吉田:当社は今年で94年の歴史を迎えます。私が入社したのは1984年ですので、今から42年前になります。入社当時から営業を担当しておりまして、当時はICTという言葉があったかどうかは定かではありませんが。

石井:そうですね、当時はどういう言い方をされていたんですか。

吉田:OAですね。当時、私が担当したのは関東の中堅中小のお客様を担当する部門でして、中堅中小のお客様ですと、経営のトップの方と直接お話しする機会も多く、そこで直接お困りごとや課題をお聞きして、それに対する解決策を提案する。今で言う「ソリューション営業」のような形のスタイルを、当社では当時からやっておりました。

石井:1984年のご入社となると、インターネットが登場するのはその約10年後ぐらいですね。インターネットの登場というのは、都築電気さんにとっても大きな分水嶺になったのでしょうか。

吉田:そうですね。ネットワークそのもののあり方が変わりました。例えば今まで動画や画像を送るのに時間もお金もかかっていたものが、短時間かつ低コストで送れるようになった。それによってコンピューターの用途が一気に広がったというのは、やはりインターネットの力が大きかったと思います。

石井:インターネットの登場から約30年が経ち、今では都築電気さんはインフラからアプリケーションまでワンストップで手がけていらっしゃいます。その変遷は吉田さんのご経歴ともリンクする部分があると思いますが、どのような変化があったのでしょうか。

吉田:当時はオフコンや汎用機といった物理的なマシンがあり、我々もそれに対応する物理的なものを売るというスタイルでした。しかしネットワークが発達し、インターネットがキーになって高速大容量の回線が整い、その先にクラウドの時代がやってきます。そうなると物理的なものよりも、仮想の空間、つまりクラウドの中でサービスを売るという、「モノからサービスへ」の転換が起きてきます。それに伴い、我々のビジネススタイル自体も変わりましたし、お客様も所有することから利用することへと変わり、着眼点も「姿形」よりも「サービスの中身」に移っていきました。

石井:そうなると、社員の方々も随分と変わらなければならなかったのではないですか。

吉田:そうですね。ますますお客様の課題をきっちり深く理解して、それに対する解決策を我々の側から考えてお客様に提案していく、という変化が大きくありました。

【光が当たらなかった基幹産業〜物流業界が抱える課題〜】

石井:そうした時代の変化に合わせて、会社としても様々な分野に取り組んでこられたと思いますが、その中で吉田さんが特に力を入れていらっしゃる領域が「物流」だと伺っています。物流分野について、どのような課題感を持っていらっしゃいますか。

吉田:物流はどの業種業界でも必ずベースになってくる、いわば国としての産業という位置付けにあると思います。ただその裏側では、労働環境が厳しい、賃金が安いといった理由で、なかなか光が当たってこなかった。「物を安く運ぶ」だけの業界というふうに見られてきた面があります。しかし、物流がなければ物が作れるのか、届けられるのか、使えるのかというと、それはできません。一番ベースになる産業ですから、もっと光を当てていかなければいけませんし、国際的な競争力もここで上げていかなければいけないと思っています。

石井:たしかに、物流はまさに経済の血脈というか、物流がなければすべての経済活動が止まってしまいますよね。それだけ重要なインフラだと思いますが、都築電気さんと物流の関わりについて、歴史的な経緯を教えていただけますか。

吉田:私が入社した40数年前から、大手企業の物流部門や物流会社のお客様がいくつかありまして、そこで業務の知識や知見を習得していきました。特に深く関わるようになったのは、コンビニエンスストアの配送物流です。食品の物流というのは非常にシビアな物流を求められます。

石井:そうですよね。棚は一日に何回転もしますし。

吉田:そうですね。

石井:鮮度の高いものが店頭に届いているその裏側ではすごいことをやっていらっしゃいますよね。

吉田:はい。大手企業とお付き合いする中で、お店に配送するまでのプロセスは非常に大変で、多くの人が関わっています。時間も決められていますし、温度管理もあります。日用雑貨品は常温でよくても、アイスクリームは冷凍で運ばなければいけない。おにぎりは何度で運ぶのか。そういうシビアな物流を目の当たりにして、我々がシステム化するまでは人手でそれを支えていた、非常に多くの時間をかけて物流を支えていたわけです。

【TCloud for SCMと共同配送〜データが拓く物流の未来〜】

石井:そうした中で、全体的なサプライチェーンマネジメントのシステムを中心に作られてきたということですね。実際にここ20年ほどで段階的にIT化が進んできたと伺いましたが、現時点でもまだ課題はあるのでしょうか。

吉田:システムを導入するためのコストや、その後の運用コストを考えると、これまでのシステムはどうしても物流事業者さんの負担が重くなる。そのため、まだまだ行き渡っていないところがあると思っています。

石井:都築電気さんでは物流業界向けのサービスがあると伺っていますが、名前と特徴を教えていただけますか。

吉田:我々はクラウドベースのサービスで「TCloud for SCM」(サプライチェーンマネジメント)というサービスを提供しております。大手のお客様はシステム化がだいぶ進んでいますが、中堅中小のお客様はなかなか費用負担も含めて導入が難しい。そこでスマートフォンで簡単に実現できる機能を実装し、安価に提供できるサービスとして、3年ほど前から展開しております。

石井:まさに当社と都築電気さんとで、中堅中小規模向けのDX支援を一緒に進めさせていただいておりますが、業務の効率化に加えて、データがあることでこんなことができるようになる、といった具体的な事例はありますか。

吉田:できるかどうかまだ分かりませんが、例えば一つの店舗に、荷物が違うということで複数の物流業者さんが2台行っているケースがあります。それはデータでしか見えてきません。

石井:なるほど。

吉田:データで見えると、1店舗に納めるのに2台行くより1台で済むのではないか、ということが分かります。そうすると当然ドライバーも1人で済みますし、車も1台で済みますし、環境にも良い。そうやってデータを使うことで効率が大きく変わりますし、このエリアはA社さん、このエリアはB社さん、というような形も可視化できれば実現できるようになると思います。

石井:おっしゃっているのは、荷主さんも巻き込んだ「共同配送」ということですね。これまでそれができなかったのは、企業ごとに閉じてしまっていたことが大きい。

吉田:そうだと思います。

石井:なるほど。そうすると都築電気さんとしても、今後は「データ」がますます中心的なものになってくるということですね。分かりました。この続きはまた次回、詳しくお話を伺えればと思います。今日は1932年の創業以来、通信インフラを止めることなく94年の歴史を歩んでこられた都築電気さん、そして吉田さんがどのようなキャリアを歩まれてきたのか、その中でも特に注力されている物流について詳しくお話を伺いました。次回はAI時代に都築電気さんが今後どうなっていくのか、そのお話を伺いたいと思います。本日はありがとうございました。

吉田:ありがとうございました。

石井:最後にお知らせですが、今回の放送はradiko・当社YouTubeでご視聴いただけます。そちらもチェックしてください。この番組はWill Smartの提供でお送りしました。