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二酸化炭素の排出量実質ゼロを目指す「脱炭素社会」行政・企業のさまざまな取り組み

二酸化炭素の排出量実質ゼロを目指す「脱炭素社会」
2015年に採択されたパリ協定では、190以上の国々が参加し、脱炭素社会の国際的な実現を目指すことを約束しました。
日本もパリ協定に基づき、今年6月、2050年までに温室効果ガスを80%削減すると掲げました。
しかし、現時点での試算によると、この目標は非常に厳しい状況にあります。

こうした中、脱炭素社会に向けて少しでも目標値に近づけようと、政府や企業は積極的に取り組みを始めています。
実現可能な目標となる日が、近い未来やって来るのでしょうか。

そこで今回は、環境省が行う「脱炭素型地域づくりのモデル形成事業」を取り上げ、賛同し取り組んでいる自治体や企業の事例を紹介しながら、脱炭素社会を目指す取り組みについて考察します。

環境省が行う取り組みとは


環境省は、2020年6月、地域の多様な課題に応える脱炭素型地域づくりモデル形成事業について、執行団体の地域循環共生社会連携協会(東京都港区)による公募を行いました。

この事業は、地域の自立・分散型地域エネルギーシステム、また脱炭素型交通をテーマに技術や制度のイノベーションを適宜取り入れ、民間の資金を活用しながら継続的なモデル構築を実施していくことを目的としています。
各地で自治体や企業、住民が一体となって、持続可能である地域循環型の取組を底上げしていこうというものです。
公募の結果採択された地方公共団体の取り組みに、経費の一部を補助します。
環境省は、75件の応募のうち、52件を採択したと8月発表しました。

 

環境省が発表した予算とは


環境省は、9月、2021年度予算の概算要求を公表しました。
今年、2050年までに温室効果ガス80%削減を掲げた環境省にとって、重点施策はいったい何なのでしょうか。

予算の内訳を見ると、東日本大震災復興特別会計がほぼ半分となった一方、温室効果ガスの排出削減などに取り組むエネルギー対策特別会計に重点的に予算配分を行っています。
前年度比29.1%増となる2,258億円を計上しています。

2020年6月、気候災害の多発や巨大化に対し、環境省は政府として初めて「気候危機」を宣言しました。
気候危機、そしてウィズコロナ・ポストコロナ時代において、「脱炭素社会への移行」「循環経済への移行」「分散型社会への移行」という3つの移行を実現することで、持続可能で強靭な経済社会へのリデザイン(再設計)を目指すとしています。

2050年CO2実質ゼロを宣言した自治体が160、人口規模が約7,334万人と増加する中、これら「ゼロカーボンシティ」と連携した、脱炭素社会への移行。資源循環ビジネスの活性化等を通じて、ポストコロナ時代を支える競争力の源泉として循環経済の確立。そして、再生可能エネルギーや自然・生物多様性等の地域資源を活かす分散型社会への移行を進めることで、日本国内の経済社会を再設計していくことを目標としています。

 

地域で行う脱炭素社会に向けたモデル事業とは


神奈川県 小田原・県西エリアで100台の再エネ充電EVをカーシェアリング

e-モビリティベンチャーのREXEVと、電力小売りの湘南電力、神奈川県小田原市が連携して、小田原・県西エリアにて、地産の再生可能エネルギーを活用した100台の再エネ充電EVによるカーシェアリングを共同で実施するとことになりました。
2020年2月から試験運用を、同年6月から本運用を開始する予定で、2022年までの3年間で100台の導入を予定しています。
また、EVバッテリーの充放電遠隔制御技術と組み合わせ、地域における再生可能エネルギーの効率的活用と付加価値の創出にも取り組むことになっています。

運輸部門の脱炭素化の実現に向けては、自動車の製造から廃棄まで、ライフサイクル全体でのCO2排出量の削減が重要となります。この事業では、EVを用いることで走行時のCO2を、EVのシェア利用で自動車の製造・廃棄に関するCO2を、EVの充電に再エネ由来の電気を用いることで燃料製造に関するCO2をそれぞれ削減することを目指しています。

また、EVのシェア利用を行うとともに、そのバッテリーを停車時にはエネルギーマネジメントのエネルギーリソースとして、災害による停電発生時には非常用電源として、それぞれ活用。
費用対効果の大きなEV利用のユースケースを作ることで、EV普及促進を図ります。
同時に、EVの充電を通じた再生可能エネルギーの需要創出、エネルギーマネジメントによる変動電源に対する調整力創出により、エリア内での再生可能エネルギー発電量拡大へ寄与。さらに、新たな移動手段の提供を行うことで、点在する地域資源のつながりの創出や、地域課題の解決にも貢献していきます。

 

山梨県甲斐市 バイオマス産業都市推進事業

甲斐市では、動植物から生まれた再生可能な生物資源である「バイオマス」の活用を推進するため、平成25年3月に「甲斐市バイオマス活用推進計画」を策定しました。廃棄物の減量化や資源化のため、甲斐市バイオマスセンターにおいて学校や保育園の給食から出る生ごみを活用した液肥生成の実証実験、剪定枝のチップ化事業、廃食用油の燃料化などの取り組みを行っています。

しかし、市内に豊富に存在するバイオマス資源が有効に利活用されていないのも現状で、補助金を活用し、甲斐市バイオマス活用推進計画をさらに発展・具体化させ「バイオマス産業都市」のさらなる構築を目指すこととしました。

計画期間を平成27年度から平成36年度の10年間とする構想の中では、バイオマスの中でも特に「生ごみ」と「木材」のバイオマスに着目して、これまで廃棄や放置されていたものなどをバイオマス資源として利活用し、環境にやさしく災害に強い、持続可能なまちづくりを目指すこととしています。
構想においては、事業化プロジェクトとして4つの重点プロジェクトを設定し、バイオマスの積極的な取り組みを推進していきます。
甲斐市バイオマス産業都市構想 重点プロジェクト
①木質バイオマス発電プロジェクト
 松くい虫被害木・間伐材・林地残材・せん定枝等の木材からなるバイオマスを燃料として発電を行う。
バイオマスを燃焼する際に放出される二酸化炭素は、生物の成長過程で光合成により大気から吸収されたものであるため、バイオマスには大気中の二酸化炭素を増加させない「カーボンニュートラル」と呼ばれる特性があります。

②木質バイオマス公共施設熱供給プロジェクト
木質バイオマス発電プロジェクトの発電所から発生する熱を、化石燃料に代わるエネルギーとして公共施設に供給する。

③木質バイオマス熱供給農業振興プロジェクト
木質バイオマス発電プロジェクトの発電所から発生する熱を、化石燃料に代わるエネルギーとして農業ハウス等に供給し、熱を活用した特色ある農産物の生産や地域ブランドの確立により農業活性化を目指す。

④液肥・堆肥活用農業振興プロジェクト
生ごみを液肥や堆肥などの肥料に変え、生ごみの減量化や資源化を図るとともに、液肥・堆肥を農業振興に活用する。

構想を実現することにより、災害時のエネルギー確保と災害基盤強化や再生可能エネルギーへの転換による温室効果ガス削減とエネルギーコスト削減やごみ減量化と廃棄物処理コスト削減などが期待できます。

まとめ

今年環境省が掲げた2050年までに温室効果ガスを80%削減するという目標は、極めて厳しい状況にありますが、国や市町村、そしてさまざまな企業が積極的に取り組みを始めています。
また、AIやビッグデータなどの新しいテクノロジーを導入することで、画期的にテクノロジーも進歩を遂げています。
こうして、新しい技術と取り組みを合わせることで、目標に近づく日が少しでも早く訪れることを期待したいです。

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