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「デジタル田園都市国家構想推進交付金」とは?物流分野の採択事例も紹介

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 国はデジタル田園都市国家構想の実現に向けて、「デジタル田園都市国家構想推進交付金」を創設し、地方公共団体の自主的・先進的な取り組みを支援しています。本記事では、同交付金の対象事業や令和4年度~令和5年度にかける予算・スケジュールを解説し、さらに物流分野において過去に交付金対象事業として採択された事例について紹介します。

「デジタル田園都市国家構想推進交付金」とは

引用:『デジタル田園都市国家構想交付金デジタル実装タイプ TYPE1/2/3等制度概要』より

 「デジタル田園都市国家構想推進交付金」とは、従来あった地方創生関連の3つの交付金(「地方創生推進交付金」「地方創生拠点整備交付金」「デジタル田園都市国家構想推進交付金」)の総称で、国から都道府県や市町村などの地方公共団体にむけて交付金として交付されます。各分野を横断的に支援することで、構想の実現による地方の社会課題解決・魅力向上の取り組みを加速化・深化するため、国はこれら3つの交付金をまとめて「デジタル田園都市国家構想推進交付金」として位置づけました。

引用:『デジタル田園都市国家構想交付金デジタル実装タイプ TYPE1/2/3等制度概要』より

 同交付金はさらに大きく分けて2タイプにわけられ、デジタル実装を支援する「デジタル実装タイプ」と、中長期的な計画に基づき先導的な取り組みや施設整備等を支援する「地方創生推進タイプ」「地方創生拠点整備タイプ」に分類されます。

引用:『デジタル田園都市国家構想交付金デジタル実装タイプ TYPE1/2/3等制度概要』より

デジタル実装タイプはさらに下記の細かく5つのタイプに分けられます。

①優良モデル導入支援型のTYPE1
②データ連携基盤活用型のTYPE2
③マイナンバーカード高度利用型であるTYPE3
④マイナンバーカード利用横展開事例創出型
⑤地方創生テレワーク型

 デジタル田園都市国家構想推進交付金の予算は、令和5年度の当初予算において1,200億円が充てられており、さらにこれに加えて「デジタル田園都市国家構想の実現を仮想化するための経費」を事項要求しています。また令和4年度の補正予算においては800億円が充てられ、そのうち400億円がデジタル実装タイプで、残りの400億円が地方創生拠点整備タイプへの交付金となっています。
*参考(他サイトへリンクします)|内閣府:デジタル田園都市国家構想推進交付金
https://www.chisou.go.jp/sousei/about/mirai/policy/policy1.html

「デジタル田園都市国家構想推進交付金」に最適された事例

 では実際に、「デジタル田園都市国家構想推進交付金」の対象として採択された事業はどのようなものがあるのでしょうか。本記事では、令和3年度にデジタル実装タイプTYPE1として採択された、物流分野における2つの事例をご紹介します。

①福井県敦賀市「ドローンを活用したスマート物流構築事業」

 まず一つ目は、福井県敦賀市の「ドローンを活用したスマート物流構築事業」です。敦賀市は、典型的な扇状地形に位置しており、物資や商業施設などは中央部にある市街地に集まっていて、放射状に広がる山間地域では過疎化や高齢化が進行しています。こうした地域課題の解決に向けて、「市街地・過疎地直結型ドローン物流」を導入するための実証実験が行われました。ドローン配送の社会実装における敦賀市の2022年度予算は約1億円(初期費用を含む)でしたが、令和3年度補正予算デジタル田園都市国家構想推進交付金として5,000万円が採択されました。最近では2022年8月に、敦賀市金ヶ崎緑地及び東浦地区において、第二弾の実証実験が行われました。
*参考(他サイトへリンクします)|愛発地区でドローンを活用した新スマート物流のサービスを開始しました
https://www.city.tsuruga.lg.jp/about_city/news_from_division/kikakuseisaku_bu/h-sousei_ka/031300020221006.html

②広島県「農産物販売における新たな物流網「やさいバス広島」によるSmartコミュニティサービス」

 二つ目は、広島県の「農産物販売における新たな物流網「やさいバス広島」によるSmartコミュニティサービス」です。やさいバスとは、地域の農産物生産者と地域の購買者を直接つなぐプラットフォームサービスです。約40キロメートル範囲の配送エリア内に10程度の野菜集荷場を設置し、その拠点を冷蔵トラックが巡回します。トラックの到着予定時刻にあわせて農家は最寄りの拠点へ生産した野菜を持ち込み、利用者もまた最寄りの拠点まで出向いて野菜を受け取るというシンプルなシステムで、共同配送することで高騰する物流コストを節約できるメリットもあります。
同事業は複数の地域で展開されていますが、広島県において令和3年度補正予算デジタル田園都市国家構想推進交付金の交付対象事業として採択され、812万円が交付されました。やさいバス広島では、広島市中心部のそごう広島やMUJIパルコ広島店などで地産地消売り場を展開しており、県内の各生産地域から運送された県内生産野菜が販売されています。県内とはいえ、頻繁には行くことができない山間部の農産物が市内に届き、新鮮で美味しい点やリーズナブルに手に入れられる点などが非常に好評だそうです。最近の取り組みとしては2022年10月に、高速バスを利用して広島県尾道市因島から広島市への運送が開始されました。
*参考(他サイトへリンクします)|尾道市因島のとれたて野菜 高速バスで広島市内のデパートに
https://www3.nhk.or.jp/hiroshima-news/20221027/4000020062.html

*参考(他サイトへリンクします)|やさいバス公式サイト
https://vegibus.com/

「デジタル田園都市国家構想推進交付金」によって進む地方の先進的な取り組み

 国は「デジタル田園都市国家構想推進交付金」によって地方公共団体の様々な先進的な取り組みを支援しており、物流分野でも多くの事業が採択されています。本記事で紹介した事例以外にも、さまざまな事業が同交付金によってスタートしています。これらの取り組みにより、今後地方の魅力が向上することや活性化することで、ひいては日本全体の活性化につながることに期待が高まります。

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