
バナナから宇宙へ〜全日空商事が挑む宇宙・モビリティ・世界展開のグランドビジョン〜
バナナから宇宙へ〜全日空商事が挑む宇宙・モビリティ・世界展開のグランドビジョン〜
| 第21回は、全日空商事株式会社・代表取締役社長の宮川純一郎さんとの後編。過去最高の売上・利益を達成した新中期経営計画の先に見据えるもの宇宙。ビジネス・再生エネルギーを「5本目の柱」に据えた次の成長ステージとは。全国2,200店舗のネットワークを持つFUJISEYを活用したトラベルリテールの進化、そしてエアトランスポートからモビリティへ、さらに「Connecting the World」へと広がるANAグループとしての壮大なビジョンを語っていただきます。 |
- 番組名
- 『まちと移動のミライコラボ』全文書き起こし
- 放送日
- 2026年5月31日
- ゲスト
- 宮川 純一郎 氏(全日空商事株式会社 代表取締役社長)
目次
【オープニング】
石井:前回に引き続き、全日空商事・代表取締役社長の宮川純一郎さんをお迎えしています。宮川さん、今週もよろしくお願いします。
宮川:よろしくお願いします。
石井:前回はキャリアと全日空商事さんの成り立ち、どんな事業をされているかについて詳しくお話を伺いました。今回は未来志向のお話を中心に伺っていきたいと思います。
【新中期経営計画と5本目の柱〜「バナナから宇宙まで」の次の成長ステージ〜】
石井:まず、全日空商事さんが今後どんな分野に力を入れていきたいか、教えていただけますか。
宮川:ちょうどこの4月から新しい中期経営計画をスタートさせました。前の計画は2023年から2025年までの3カ年でしたが、おかげさまで売上・利益ともに過去最高を記録することができました。
石井:それは素晴らしいですね。
宮川:これからの成長ステージは何かを突き詰めなければなりません。航空機関連・食品・半導体・トラベルリテールの4本柱を、構造改革も含めて進めることがメインになります。それに加えて、宇宙ビジネスや再生エネルギーといった今後成長が期待できる分野に、5本目の柱として手を伸ばしていきたいと考えています。
石井:前回は「バナナから半導体まで」とおっしゃっていましたが、今度は「バナナから宇宙まで」ということですね。
宮川:そうです。将来的には人が宇宙へ飛び出していく時代が来るかもしれません。ただその手前でも、GPSや気象観測など宇宙は地球と密接に繋がっています。アメリカではすでに多くのロケットが打ち上げられており、日本でも人工衛星の打ち上げが一般的になる時代が来るでしょう。衛星打ち上げには部品調達やサプライチェーン構築、販売まで、ロケットを打ち上げるプレイヤーだけでは難しく、それをサポートする役割が必要です。ANAグループが長年航空分野で築いてきた経験が生かせる領域だと思っています。
石井:宇宙事業への関与を構想されているということなんですね。
【トラベルリテールの進化〜FUJISEY・全国2,200店・ECとマイルで地域産品を繋ぐ〜】
石井:地域との繋がりについて、今後どのように発展させていくお考えですか。
宮川:トラベルリテールの新しい成長戦略を考えなければならないと思っています。空港は地域にとっての玄関口であり、地域創生の重要なインフラです。都市への一極集中が進む中で、地域のプロモーションにおいて空港が果たす役割は非常に大きい。現在は全国の空港にANAFESTAを、成田・羽田にはANAデューティーフリーの免税店を展開していますが、売り場が空港に限られる制約があるので、オンラインとどう結びつけるかが課題です。
石井:グループ会社のFUJISEYさんも重要な役割を担っているとのことで。
宮川:FUJISEYは山梨に本社がある観光土産品を扱う会社で、昨年度は全日空商事グループで一番の稼ぎ頭になりました。ドライブイン・サービスエリア・観光地のお土産屋・ホテル付属の売り場など、全国約2,200店舗と取引があります。このFUJISEYのルートを活用しながら、地上のお店で売っているものを機内でも販売したり、機内食の食材として使ったりといったコラボレーションを展開していきたいと思っています。
石井:リアルとデジタルの組み合わせについてはいかがですか。
宮川:リアルのお店で売っているものをECに展開することと、ANAの場合はマイルという非常に強力な通貨がありますので、それを活用していくことが重要です。ANAakindoがふるさと納税も手がけていて、旅行商品として販売した際に旅行先での消費をふるさと納税で支払うといった取り組みも展開しています。また、商品のバックストーリーを機内誌で特集するなど、単なる物販から「コト消費」への転換も意識しています。後ろにあるストーリーやエピソードが人の心に響くものがあると思いますので、そこに光を当てていきたい。
【海外展開とモビリティ革命〜エアトランスポートから「Connecting the World」へ〜】
石井:最後に、ぜひ注目してほしいという取り組みについて一言お聞かせください。
宮川:一つは、事業のベースがまだ国内にとどまっていることが多いので、アジアをはじめアメリカ・ヨーロッパなど、まだ開拓できていない市場にどう入っていくかが重要な課題です。もう一つは、エアトランスポートからモビリティへとスコープを広げていくことです。ドローンや、来年・再来年にも実用化が見込まれる空飛ぶ車など、新たな形での人の移動を担う枠組みに関わっていかなければならないと思っています。
石井:エアトランスポートからモビリティ、さらにその先は?
宮川:さらに「Connecting the World」。移動の有無にかかわらず人と人を繋ぐという部分が、ANAグループとして手がけていくべき方向性だと考えています。全日空商事はANAグループの中で多角化系事業を扱う最大のグループ会社ですから、ANAの世界をもっと外に広げ、お客様やマーケットに提供できる価値を大きくしていく——そういった使命感を持って取り組んでおります。
石井:ありがとうございます。全日空商事さんのこれからの取り組みについて詳しくお話を伺いました。宇宙ビジネスへの挑戦、国内にとどまらない海外展開、そして人と人を繋ぐConnecting the Worldのビジョン、大変貴重なお話でした。2回にわたり、宮川さん、本当にありがとうございました。
宮川:ありがとうございました。
石井:この番組はWill Smartの提供でお送りしました。












