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地方自治体の災害対策!EVの非常用電源としての活用方法とは?

電気を貯めておけるEV(電気自動車)は、近年多発する自然災害への備えとして非常用電源としての活用が注目されています。しかしながら、具体的な非常時の使い方やEVが本当に役に立つのかどうか?など、その詳細についてはあまり知られていないのも現状です。
そこで、本記事では、EVが非常用電源としてどのように役立つのか、地方自治体での取り組み事例などをご紹介します。

非常用電源としてEVはどれくらい役に立つ?

CO2を排出しないEVは環境にも好影響であるため、脱炭素・低炭素社会の実現に向けた観点で注目されており、日本でも急速に普及が進んでいます。 EVは普段から電気を貯めておけるため、容量の大きい蓄電池としての機能も併せ持っています。そのため、乗用車としての利用のほかに、災害時の非常用電源としても活用できます。この災害時の非常用電源としてのEV活用について、その具体的な内容は知らないという方も多いのではないでしょうか。しかし、災害時にうまくEVを活用するためにも、普段からEVが非常用電源としてどれくらい役立つのかを知っておく必要があります。

非常用電源としてのEV活用

では、実際に急な災害や事故などによる停電時に、EVは非常用電源としてそれくらい役立つのでしょうか。一般的な家庭用蓄電池のバッテリー容量よりも、EVのバッテリー容量は大きいのが特徴です。そのため、EVを電源とすることで、停電時にもある程度消費電力量の大きい家電も使うことができます。例えば、冷暖房、食事の用意など、日常生活に必要な電力が得られるのが大きなメリットとなります。

具体的に、日産リーフe(バッテリー容量62kWh)では満充電にした場合、平均的な2人世帯の消費電力量4日分をまかなえるという計算例があります。ほかにも、バッテリー容量40kWhのEVでの実験で、30回お湯を沸かしても半分以上のバッテリー容量が残る結果となった事例もあります。

自治体への災害時のEV活用の現状

災害時の備えとしてのEV活用を促進するために、国土交通省と経済産業省は連携してマニュアルを作成しています。具体的なEVの災害時の使い方が分からないという声に応えて、電源としての適切な使用方法をまとめたものです。国土交通省および経済産業省では、このマニュアルを非常時に備えて活用するよう地方自治体に紹介し、EVの大容量の蓄電池としての機能や、移動可能な電源として避難所などでの電気供給ができることといった災害時にEVが果たす役割の周知を進めています。

また、自動車メーカーが大規模停電時にEVを被災地に派遣したことをきっかけとし、自治体と自動車メーカーが協力する動きも始まっています。国は、こうした情報や自治体での訓練の内容などについても一般の人にも広く周知していく方針を持っています。

このような、国からの推奨もあり、EVを非常用電源として活用する取り組みは、多くの自治体で展開されています。ここでは、自治体の取り組みの事例から①自治体が所有するEV活用②自動車メーカーとの協力③個人所有のEV活用の3パターンをご紹介します。

①自治体が所有するEVの活用事例

石川県加賀市は、公用車にEVを導入して一般向けにシェアリングする事業を展開しています。加賀市では、公民一体で再生可能エネルギーを活用する「加賀市版RE100」の取り組みを進めてきました。公用車に日産リーフを導入しているのも活動の一環で、EVを平日は職員が使い夜間と休日は観光客に貸し出しています。シェリングを希望する人は、スマートフォンの専用アプリを使うことで簡単に車や利用時間帯をすぐに選択できるので便利です。シェアリング事業で得た利益をもとに、加賀市は今後も計画的にEVの台数を増やしていくとしています。

②自治体と自動車メーカーの協力事例

横浜市は日産自動車株式会社と「災害連携協定」を結び、EVの蓄電機能を災害対策に活用する取り組みを進めています。これまでも、横浜市は「Zero Carbon Yokohama」を掲げて脱炭素化の動きを高めてきました。日産自動車も、EV活用を目指す活動として「ブルー・スイッチ」を進め効果を上げています。相互の活動に賛同したことで、自治体と自動車メーカーの協力体制が整うことになりました。災害連携協定にはEVを各区役所へ貸与するなど、災害時に対応する具体的な内容が盛り込まれています。

③個人所有のEVを活用する事例

千葉県は、個人や企業が所有するEVを活用する「電力ボランティア登録制度」を開始しました。災害や事故などによる停電が発生したときに、前もって登録されたEVから避難所などへ電力を供給してもらう制度です。千葉県では、過去に大型の台風により長期間の停電が発生するなどの大きな被害を受けました。この経験から長期間の停電対策として電力が不足しないように、個人所有のEVを活用する取り組みが進められています。千葉県では県のホームページに制度を紹介し、メールや郵送による登録を求めています。千葉県は、大規模停電時にEVを活用して助け合う取り組みについて関心を高めていきたい考えです。

EVを非常用電源として活用する取り組みに注目!

災害時を中心に、EVを大容量の蓄電池として活用する取り組みは地方自治体や自動車メーカーなどによって展開されています。EVを非常用電源として利用することは、とは言えません。しかし、EVは自治体による取り組み事例が増えているため、将来的には災害時の臨時インフラとしての役割を果たしていくことになるでしょう。

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