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セミナー・体験レポート

「人とくるまのテクノロジー展」で最新のEV活用の取り組みを取材しました!

2023年5月24日~26日にかけて「人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA」(主催:公益社団法人自動車技術会)が開催されました。
この展示会は最先端の自動車技術が一堂に会する国内最大級の自動車技術展で、3日間で約6万人が来場しました。
ミライコラボ編集部では数多くの展示の中で特にEV(電気自動車)を活用するための技術を取材してきました。

日本におけるEV活用

カーボンニュートラル社会の実現に向け、世界でガソリン車からEV(電気自動車)にシフトする動きがみられています。日本は2035年までに乗用車は新車販売におけるEVの割合を100%とする目標を掲げており、公共用の急速充電器3万基を含む充電インフラ15万基を設置することでガソリン車と同じくらいの利便性を実現するとしています。
まだ日本国内でのEVの販売比率は4%程度ですが、将来的なEVの普及に向けてEVの蓄電・給電機能を災害時に活用したり、エネルギーマネジメントに活用するための取り組みが注目されています。

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ミライコラボ編集部が見つけた最新のEV活用に向けた取り組み

トヨタ自動車株式会社

トヨタ自動車株式会社は「災害時の給電車マッチングシステム」を構築し、災害時の電力不足解決に向けて取り組んでいます。
BEV(バッテリー式電気自動車)やHEV(ハイブリッド車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、FCEV(燃料電池自動車)は「動く電源」として電気を供給することができます。この「給電車マッチングシステム」は災害時に電気を必要としている避難所と、近隣で給電車を保有しているトヨタ販売店や協力企業をマッチングすることでスムーズな電力供給を実現するものです。
給電車を保有しているトヨタ販売店や協力企業は事前にシステム上に車両や所在地などの情報を登録しておき、自治体は災害発生時にどの避難所で何台の給電車が必要なのかを登録し、支援を要請します。
このように、システム上に避難所の情報と近隣の給電車の情報をどちらも登録しておくことにより、従来は電話やFAXで行っている支援要請をシステム上で完結できるので緊急時でも効率的な支援が可能になります。
現在、マッチングシステムの実現に向けて一部のトヨタ販売店と自治体間で給電車を貸与する連携協定の締結を進めている他、実装に向けた実証実験を行っているそうです。

ニチコン株式会社

ニチコン株式会社のブースではEV等の車を非常用電源として活用したり、家で蓄電池として活用するための給電器やV2Hシステムを見学しました。
【外部給電器パワー・ムーバー】
外部給電器パワー・ムーバーはEVやPHEVなどの電気を取り出して電気機器に使用できるように変換する製品です。平常時は車の荷室に保管しておけるので、災害発生時など電源の供給が必要な場合には停電が発生している場所に移動するだけで電気を取り出すことができます。
自然災害の被害を受けた地域でパワー・ムーバーを介して車から取り出した電気を避難所内に給電したり、家庭で使用する電気を供給するなど、各地で災害時の電力供給に役立てられています。

【V2Hシステム「EVパワー・ステーション」】
V2Hとは「Vehicle to Home」のことで「車から家へ」という意味です。「EVパワー・ステーション」はEVの電力を家庭へ給電することができる製品で、EVを停電時などの非常用蓄電池として活用できるほか、家庭からEVへの給電も可能です。そのため、電気料金が安い時間にEVに充電しておき、電気料金が高い時間帯にはEVから家庭へ給電するといった方法で電気料金を節約したり、太陽光発電を設置している家庭では余剰電力をEVに充電して、発電した電気を有効活用できます。

株式会社PTVグループジャパン

株式会社PTVグループジャパンでは交通施策の効果や影響を計画段階において定量的に評価する交通需要推計ソフトウェア「PTV Visum」を活用した取り組みを行っています。
このシステムは電気自動車の普及にも対応しており、例えば電気自動車を用いたモビリティサービスの運用シナリオを作成し、サービスの仕様の妥当性を検証することができます。
電気自動車には航続距離や充電の所要時間などの特有の制約がありますが、それらを考慮して車両の投入台数や運行計画などを検討できます。
また、ガソリン車を使用する場合と電気自動車を使用する場合とでサービスにかかるコストと料金収入を比較できるので、ガソリン車から電気自動車に移行する場合にも活用できるシステムとなっています。

従来車両および電気自動車を用いたライドシェアシミュレーションの例

株式会社椿本チエイン

株式会社椿本チエインのV2X対応充放電装置「eLINK」はEVやPHEVなどの電気自動車を充電するだけでなく、公共施設やオフィスへ給電することが可能です。EVを非常用の電源として活用できるほか、EVから給電を行うことで電気のピークカットにも役立ちます。
また、「eLINK」には予約運転機能があります。決まった時間にEVへ充電したり、夜間などEVを使わない時間帯にはEVから給電できるように設定できるので、EVを活用したエネルギーマネジメントが可能です。

編集後記

今回の展示会ではEVを移動手段として使うだけではなく、緊急時の非常用電源としての活用や、家庭で使用する電力のピークカットを実現する取り組みなど、私たちの生活と密接にかかわる技術が多く見られました。
特に昨今は電気代の値上がりや、大雨による土砂災害の発生回数増加への対策などが社会課題となっていますが、今後国内でEVが普及していくことで、こうした課題の解決につながることが期待されます。

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