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東京ポートシティ竹芝にみる「スマートビル」の特徴とは?

新時代に対応する都市を開発する際のトピックとしてスマートシティが注目を集めています。
スマートシティとは、内閣府による定義でICT 等の新技術を活用しつつ、マネジメント(計画、整備、管理・運営等)の高度化により、都市や地域の抱える諸課題の解決を行い、また新たな価値を創出し続ける、持続可能な都市や地域であり、Society 5.0の先行的な実現の場です。政府の政策としてもその取り組みを推進しています。
そのスマートシティの構成要素として、業務地区を形成する際に不可欠だと考えられているのがスマートビルです。
本記事では、スマートビルについて、その実現を支えるテクノロジー、実際の事例を交えて紹介していきます。

スマートビルとは?

スマートビルの定義は関係する立場により異なることもありますが、シンプルに言うと「IoTやAIの技術を活用して、エネルギー効率の改善、セキュリティの強化、利用者の満足度向上などを実現する商業施設・オフィスビルなどの建物」です。

2000年代ごろからテクノロジーの進歩に伴い、社会のさまざまな領域のスマート化が進んでいく中で、ビルや建物もスマート化しています。
例えば、ビル空調はかつての大型ビルでは中央集中式で一元管理するものが多く、技術的制約から全体の効率が優先され、そこで働く個人の過ごしやすさは考慮されていないこともありました。しかし近年は各フロアの区画ごと、さらに個人のワークスペースごとの個別空調を管理する仕組みが登場しています。
空調を例にしましたが、こうしたテクノロジーを多く活用し、ビルの運営・管理側の効率化と個人が持つきめこまやかなニーズの把握を両立できるのが、スマートビルの特徴です。

スマートビルで実現できること

まず、照明や空調で利用されるエネルギー消費の効率化が可能です。スマートビルでは、各所に設置されたさまざまなセンサーからの温湿度や照度などのデータをもとに、ユーザーの希望する環境にコントロールすることができます。これは、快適性を高めると同時に、人が不在な場所では空調や照明を抑えることにもつながります。本来必要なところに、必要な量だけエネルギーを投入すれば、ムダがなくなるので個人の快適性と全体のエネルギー消費量の低減が両方満足できるわけです。

次に、働く人の業務効率の向上効果があります。これまでのオフィスはセミパブリックスペースとして、用意された環境に人間のほうが合わせていました。オフィスビルのエントランスに入ってから、執務を開始するまでに、さまざまなルーティーン作業が待っていたのです。たとえば、IDカードによる認証、エレベーターホールでの順番待ち、パソコンの電源の投入、TeamsやSlackなどのコミュニケーションツールを起動した上でのメールやスケジュールのチェックなどがあります。スマートビルでは、センサー技術を利用すれば、これらの作業をほぼ自動化したり、手間を省いたりできるのです。

スマートビルを支えるテクノロジー

スマートビルを支えるテクノロジーで最も重要なものは「IoT技術」といえます。これは「Internet Of Things」の略で、さまざまなものがネットワークにつながり、きめこまかい情報を検知・収集できる環境をつくる技術です。具体的には、センサーと通信機器が一体化したデバイスを、オフィスの各所に設置することで情報を収集します。このようなIoT技術によって次のようなソリューションの可能性が広がります。

テナントのマーケティング支援
訪問者の人流統計データやリアルタイムでの混雑状況をデータドリブンマーケティングに活用できます。また、POSデータやメンバーシッププログラムなどに登録された、性別・年代・購買傾向などの属性情報と連動させれば、ピンポイントで訴求できる販促活動も可能になるでしょう。

リアルタイムデータの取得・活用
飲食店などの混雑状況をリアルタイムで発信して、需要に応じて価格を変動させるダイナミックプライシングと連動させれば、混雑を平準化して安定した売上が期待できるでしょう。また、ビル側からの通知機能を持つ専用アプリを訪問者に提供する方法も可能性に満ちています。たとえば、店舗の近くを通る際にクーポンを発行したり、タイムセールのポップアップを表示させるなどのさまざまな動的プロモーションで購買を誘引することができるのです。

スマートビルマネジメント
セキュリティの面では、IoTデバイスからのリアルタイムデータと既存の人事管理データベースを連動することで、ワーカーはタッチレス認証で各種ゲートを通過することが可能になります。また、ワークスペースやミーティングルームの温湿度管理には、ワーカーのスマートフォン端末にインストールしたアプリをリモコンとして機能させることも可能です。この場合も、電気使用量などはコントロールセンターで把握できるので、個別環境の調整とビル全体のエネルギー消費のコストパフォーマンスのバランスを容易に最適化できます。

スマートビルの先進事例の紹介

今回は、スマートビルの先進的な事例として「東京ポートシティ竹芝オフィスタワー」の事例を挙げます。
東京ポート竹芝オフィスタワーでは、ビルOSやビルPlatformが設定されています。館内には1400を超えるIoTセンサーデバイスが設置され、解析されたデータはビルテナントに共有されています。テナントはこの客観的な情報をもとにして、データドリブンマーケティングを構築することができます。また、館内主要各所にデジタルサイネージが設置されており、リアルタイムで得ている情報を速やかに反映することができます。また、スマートフォンへの情報配信と連動させており、ワーカーにもビジターにも利便性の高い環境が実現しています。

まとめ

スマートビルを支えるIoT・AIなどのテクノロジーは日々めざましく進歩しています。スマートビルでは省エネルギーなどのビル管理の効率性と、テナントワーカーやビジターなど利用者の利便性の豊かな両立が可能です。今後も広がっていく「東京ポートシティ竹芝オフィスタワー」のようなスマートビルの取り組みに注目していきたいです。

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