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「ミライの種」エネクスオート 小田代表取締役社長 インタビュー後編

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各分野における経営のプロフェッショナルたちが考える未来への戦略、未来への投資、そして未来像とは?過去から現在、そして未来の花咲くカギとなる「種」とはどんな姿なのか?その「歩み」を辿りながら「ミライの種」に迫ります。

前編に引き続き、インタビューとしてお話をお伺いするのは、エネクスオート株式会社で代表取締役社長に就任された小田 康裕(おだ やすひろ)さんです。後編ではカーシェアリングの「実証実験から見えたミライの種」、「共創のミライの種」について迫ります。

「実証実験から見えたミライの種」

前編では、エネクスオートのビジネスやカーシェアビジネスに向けた戦略をお伺いしました。カーシェアリングビジネスに向けた実証実験を行ったとお伺いしています。具体的にどのような実験を行われたのでしょうか。

「Will Smart社と協業し、弊社が保有する営業車20台を社員間でシェアする実証実験を行いました。営業車を利用する際はアプリから予約する事で社用車の稼働や走行データが可視化され、利用頻度の高い時間帯や適切な台数が明確になりつつあります」

実証実験を行った上でのメリットを教えてください。

「弊社の営業は外出が多く、今まで社用車は1人1台で運用していました。実証実験によって1台の空き時間を複数人で使う事ができるので、余った車を他社とシェア化する事も可能ですし、全国で保有する社用車台数を同様に削減できれば駐車場代など年間のコストが大幅に削減できます。肌感覚ですが2割のコスト削減は可能であると思っておりますので、大きなメリットですね」

社用車を使う営業マンからどのような声があがっていますか。

「社用車が1人1台割り当てられていたという慣習から1台をシェアするといった意識改革の難しさは感じます。今までは、商談が決まり、さあ外出しようと思い立った時、自分の社用車を使えばすぐに外出できましたし、外回りをする営業マンが、近くまで来たからあの会社にも挨拶していこう、など予定を変更して帰社時間が延びたとしても誰かに迷惑をかける事はありませんでした。しかし、社用車をシェアするということは、開始時間と終了時間を確定した上で事前に予約しなければならない。今まで自由であった分、スケジュール管理や社用車の予約管理など新たな時間を要することで少なからず社員の不満は聞こえてきます。まあ、この点は時間と共に慣れていけば解消される部分もあるでしょう」

導入前と導入後、想定事項の乖離はありましたか。

「車の保管エリアは想定と異なりました。現在社用車の駐車場はここ本社(霞が関)ですが、やはり駐車場代が高い。今回のカーシェア導入にあたり従業員が多く住む郊外に駐車場を移せば駐車場代が抑えられますし、自宅から取引先に直行する営業日、内勤日を定めれば、通勤での満員電車にも乗ることもなく、働き方改革にもつながるだろうと想定していました。しかしいざ運用してみると、午前中は出社してデスク仕事をし、午後から外回りに行く社員が多いことがわかりました。そうなると、本社から郊外の駐車場まで移動して車を借りに行かなければいけなくなる。非効率ですよね。また、稼働率の低いエリアに駐車している社用車は、動かない時間が長くなりバッテリーが上がってしまう、などの諸問題も発生しました。結局は郊外の設置数を半分に減らし本社保管台数を多くしています。この点は会社の近くに車がある事のニーズが高いのだと、改めて実感しました」

「共創のミライの種」

今回の実証実験では、Will Smart社とコラボされていますね。

「Will Smart社とは、カーシェアリング実証実験を協業し行っています。Will Smartはカーシェアリングシステムの開発、運用を担い、弊社では社用車を提供、カーシェアリングシステムを設置し、社用車利用動向、運行履歴、走行データなどをフィードバックしています。実際の運用から生まれる課題や、利用データ、運用状況から見える改善策を検証し、実際のシステムに反映しながら細かい改善を重ねています。互いの役割が明確なので双方の強みが活きていると実感しています」

Will Smart社のカーシェアリングシステムはどのようなものでしょうか。

「Will-Mobiというカーシェアリングシステム(※1)です。韓国内外で約30,000台の導入実績を持つ韓国のシステムを基盤としており、Will Smartとコラボした背景には、これらの導入実績が大きく寄与しています。一方で、システム基盤が韓国となると、文化との違いや法的な面、システムの仕様については日本仕様に改修が必要なので、Will Smartで日本仕様として利便性の高いシステム改良を進めています」

共創する上で気を付けるべき点はありましたか。

「カーシェアリングサービスとしては後発組となりますので、スピード感は重要です。実証実験当初は、想定外の課題も多く、予想以上に時間がかかってしまった点はありますが、双方体制を含めた見直しで大きく改善できたと認識しています。より良いサービスを提供したいという思いは同じですから、試行錯誤しながらも日本人独自の文化やきめ細やかさ、利便性を突き詰めていく良きパートナーとして引き続きチャレンジを続けていきたいです」

最後にあなたのミライの種を教えてください。

「私のミライの種は『立つ』です。」
従業員、全員が自立して立つこと。また事業一つひとつが立派に立てること。それを願って『立つ』にしました。


小田 康裕
1996年、伊藤忠燃料㈱(現:伊藤忠エネクス㈱)に入社。以降、約8年間カーライフ事業本部に従事後、2017年に㈱東北タンク商会(現:伊藤忠エネクスホームライフ東北㈱)代表取締役社長に就任。卸と小売の様々な経験を経て、現在、エネクスオート㈱の代表取締役社長に就任。

(※1)Will-MoBi(モビリティシステムパッケージ)のご紹介ページは▶︎こちら

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