1. HOME
  2. 事例
  3. AI-OCRのメリットとデメリットとは?自治体によるAI-OCR導入事例も紹介
事例

AI-OCRのメリットとデメリットとは?自治体によるAI-OCR導入事例も紹介

事例, 役立つ記事

近年、自治体は市民の利便性を高めるために業務効率化が求められていますが、その取り組みのひとつとしてAI-OCRの導入が進められています。
本記事ではAI-OCRとは何か、OCRとの違いなどの概要を解説し、メリットやデメリット、自治体などでの導入事例を紹介します。

AI-OCRとは?OCRとの違いも解説

AI-OCRとはAI技術を使ったOCRの仕組みで、OCRとはAI技術を取り入れているかどうかが異なります。
OCRは「Optical Character Reader(オプティカル キャラクター リーダー)」の略語で、光学文字認識のことを指します。光学文字認識とは、画像データなどの印刷物や、手書きの書類などのテキスト部分をスキャナーで認識し、デジタルデータ化する技術です。OCRにより、通常では人の手作業でデータ化する必要があるテキスト部分を、簡単にデータ化できます。ただ、OCRの文字認識は完璧ではなく、特に漢字、ひらがな、カタカナが混じる日本語のテキストは誤認識を起こすことも少なくありません。
そのような課題を踏まえて、OCRの文字認識精度を高めるために、AI技術を加えたものがAI-OCRです。AIの機械学習やディープラーニングにより、文字認識率の向上だけでなく、誤認識を起こしたテキストを学習する機能も備えられました。

AI-OCR導入メリットは業務効率化!デメリットも解説

AI-OCRのメリット

AI-OCRは、業務効率化をはかれることが最大のメリットです。どのように業務効率化を実現しているのでしょうか。

  • ①文字認識精度の向上

    機械学習やディープランニングなどのAI技術により誤認識を修正できるようになるので文字認識精度が向上します。特に、OCRでは読み取り精度が低かった手書きテキストでも、AIにより精度を高めることが可能です。また、あらかじめ学習させておけば、専門用語や特殊なテキストなども読み込めるようになります。

  • ②フォーマットを選ばず使える

    AI-OCRは定義の異なるフォーマットでも読み込めるので、業務効率を高められます。通常のOCRは帳票ごとのフォーマットを設定してから書類を読み込ませなければならないため、異なるフォーマットを読み込ませるときは毎回設定する必要がありました。AI-OCRはフォーマットを自動で検出して読み込むため、この設定作業が不要となり、業務効率化につなげられます。また、フォーマットごとに必要な読み取り位置を指定する座標設定も必要ありません。オートセグメンテーション機能があるAI-OCRでは、読み取り位置を自動判別できます。

  • ③文字に意味を持たせて読み取れる

    AI-OCRは、テキストの意味や目的を持った状態で読み取れるのもメリットです。OCRでは読み込んだテキストをデジタル化するとき、意味や目的のデータを手入力する必要がありました。AI-OCRはテキストの意味
    や目的も抽出するので、手作業による負担を軽減できます。

  • ④業務システムやRPAと連携が効率的になる

    前述した「文字に意味を持たせて読み取れる」ことにより、業務システムやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)との連携が効率的になります。文字の持つ意味をAI-OCRが理解していれば、業務システムに必要な情報を自動で拾うことが可能です。さらに、RPAと連携させれば抽出した意味のある文字を、各帳票などに自動入力することもできます。RPAは、人間が行っていた業務をソフトウェアロボットが代行する仕組みです。連携させれば「AI-OCRで文字を読み取るだけで必要な情報を抽出」「各帳票に合った文字や数値に生成」「自動データ入力」など、大幅な業務効率化が実現できます。

AI-OCRのデメリット

多くのメリットがあるAI-OCRですが、デメリットも理解しておく必要があります。
高い文字認識精度があるAI-OCRですが、100%の精度があるわけではありません。人間によるチェックは必要です。また、導入には初期費用や継続利用するためのコストがかかるため、業務内容や目的を考慮して導入を検討する必要があります。AI-OCRを導入することで、どのくらい業務を効率化できるのか、それによりコストの削減につながるのかなど、費用対効果を踏まえて検討しましょう。

特定業務特化型AI-OCRの導入事例

ここでは、自治体等で導入が増えている特定の業務に特化したAI-OCRの導入事例を紹介します。

RPAとAI-OCRを連携して業務効率化(山梨県富士川町)

山梨県富士川町では、ふるさと納税や保育園入所受付などの業務において、AI-OCRが活用されています。AI-OCRとRPAを連携させることで、ふるさと納税の処理業務の稼働を約99%削減、保育所の入所受付業務ではほぼ100%の稼働削減を実現しています。町によると、導入前にふるさと納税約500件の処理に要していた約2500時間が、導入によりわずか5分に短縮できたそうです。担当者からは「人的ミスがなくなった」という声もあり、精度の高さもわかります。

調剤薬局における処方箋の自動入力「薬師丸賢太」

「薬師丸賢太」は調剤薬局において活用されているAI-OCRで、2022年10月時点で累計処方箋読み取り枚数が100万枚を突破しているソフトウェアです。紙の処方箋を瞬時にデータ化し、レセプトコンピューターへ自動入力することができます。スピーディで正確な情報を出力できるので、処方箋入力作業のミス削減や、効率化を実現しており、多くの調剤薬局に導入されています。

AI-OCRの導入は業務効率化や働き方の改善に貢献!

文字認識精度の高いAI-OCRは、日々の業務を効率化できる技術です。導入事例からもわかるように、RPAと連携すれば業務内容によっては大幅な時間短縮が見込めます。
AI-OCRの導入は業務時間の短縮によるコストの削減だけではありません。属人化や時間外労働などを防ぎ、社員の働き方の改善にも貢献してくれます。コストと業務効率化による費用対効果を考慮する必要はありますが、今後導入が進んでいくのか、注目です。

合わせて読みたい!
AIカメラを活用した顧客情報の活用事例とは?

カフェの商品展示ブースにAIカメラを搭載したタブレットを設置し、来店者のデータを取得。商品のメーカーへのフィードバックやカフェの来店者の顧客体験の向上に役立てています。
もっと詳しく▶

本サイトを運営しております▼株式会社Will Smartは事業立ち上げから企画・ソフト、ハードを組み合わせたソリューションの開発・運用サポートを提供しております。課題解決型AIやカーシェアリングシステム、非接触型サイネージの様々な事例などをご紹介しています。

事例を見る

メルマガでは、定期的(月に2度)にコンテンツの更新状況をお伝えする予定です。ご興味のある方は以下よりご登録ください。

メルマガ登録