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ドローン物流が注目されている背景とは?社会実装に必要なプロセスを解説

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 インターネットの普及により様々なものを気軽に購入できる時代となり、社会における物流の重要性は近年さらに増しています。そのなかで、今後の物流の利便性向上や効率化のために期待されているのがドローンによる配送サービスです。本記事では、ドローンによる配送サービスの取り組み事例を紹介するとともに、ドローン物流が注目されている背景や社会実装へ向けたプロセスを解説します。

 

ドローン物流が推進されている背景

 日本の人口は年々減少しており、その減少幅は10年連続で拡大しています。人口の減少はさらに進み、高齢者の割合が増え続けることに伴い労働人口も減少していくとみられますが、物流分野における人材不足は特に懸念されています。トラックドライバーは労働時間や業務負荷の問題から人材確保も容易ではなく、今後はさらに担い手の減少が加速していくと指摘されています。

 そこで注目されているのが物流分野へのドローンの活用です。ドローンが商品を運び特定の地域や消費者へと送り届けることで、トラックドライバーの人材不足を補えると期待されています。
特に、高齢者が日々の買い物や医薬品などの入手に苦労している過疎地域での導入が急がれています。過疎が進む地域では小売店や民間の医療機関なども減りつつあり、物流機能が衰えれば住民に大きな影響が生じかねません。こうした問題の解決のために、ドローンによる配送サービスの社会実装が進められています。

ドローン物流の社会実装へと向けたプロセス

 物流分野へのドローンの活用はすでに現実的なものとなっていますが、社会実装には課題もあります。ここでは『ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドラインVer.3.0』に定められている、ドローン物流の社会実装へと向けたプロセスを紹介します。

コンセプトの構築

 まずは、ドローンを活用した配送サービスの流れを明確にし、それが地域が抱える課題の解決策として適切であるのかを確認しなければいけません。有効性が確認されたら活用方法を具体化し、全体のコンセプトを構築します。この際、利用者の視点を踏まえたコンセプトとすることが重要です。

体制の整備

 全体のコンセプトを構築したら、具体的にサービスを利用する対象を明確化します。そのうえで、運行事業者や物流事業者、小売店や薬局といった商品等を提供する事業者など、サービスを提供する側の体制も整備します。実際にドローンによる配送を行うためには、地元の地方公共団体や住民の理解と協力も欠かせません。

サービスと採算性の確保

 各地域や配送する商品等に合わせた機材の選定を実施し、離着陸場所や飛行ルートの確保を行います。利用者は高齢者も多くなるため、より利用しやすいようなインターフェースの構築も求められます。また、荷物の管理や配送に関する体制の構築も欠かせません。過積載の防止や適切な温度管理は、特に注意しなければならない点です。さらに社会実装の推進には、省人化や収入増加への取り組みによる採算性の確保も不可欠です。

安全性の強化

 ドローンの物流への活用で懸念される一つが安全性です。社会実装を進めるにあたり、非常に重要なテーマとなります。飛行マニュアルの整備も必須であり、万が一事故が起こった際の対処方針なども明確化しなければいけません。責任者の選定および連絡体制の構築による安全性の強化が求められます。

事業継続性の確保

 社会実装のためには、事業として継続される必要があります。すでに複数の取り組み事例がありますが、これらの事例からさらに課題等を洗い出したうえで解決・改善が重要です。いわゆるPDCAサイクルを伴う事業継続性の確保により、さらに事業者や利用者が増加し社会実装の推進へとつながります。

*参考(他サイトへリンクします)|ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドラインVer.3.0
https://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu01_hh_000603.html

ドローン物流の取り組み事例を紹介

ドローン物流の社会実装を推進するには、さまざまな課題を乗り越える必要があります。様々な工夫で課題解決やへとつながった例をいくつか紹介します。

地域住民との合意形成に関する事例

引用:『ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドラインVer.3.0』より

 ドローンによる配送サービスを根付かせるには、地元の地方公共団体や住民からの理解が欠かせません。島根県吉賀町での実証実験では、空中から撮影した写真をもとに3Dの地図を作成。ドローンの飛行における安全性の確保を視覚化しました。ドローンの航路3D地図上でシュミレーションすることで航路の安全性の検証、また地域住民との合意形成に役立てています。

荷物の受け取りに関する取り組み事例

引用:『ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドラインVer.3.0』より

 ドローンによる配送の課題の一つに、受け取り方法があります。島根県美郷町での実証事業は、荷物を公民館の職員が受け取る形で行われました。実際の荷物の受取人と連絡が取れれば、公民館の職員が最終的に送り届ける方法を検討しています。

サービスプラットフォームの利用事例

引用:『ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドラインVer.3.0』より

 社会実装の促進には、専門業者提供するプラットフォームを活用し、コストを抑えることも有用です。実際に、KDDI株式会社のスマートドローンプラットフォームは、長野県伊那市でのドローン配送サービスで導入されています。機体の管理やリアルタイムでの映像確認も可能な機能を備えるなど、運用業者が操作しやすいインターフェースの構築ができることが特徴です。

*参考(他サイトへリンクします)|ドローンを活用した荷物等配送に関するガイドラインVer.3.0
https://www.mlit.go.jp/report/press/tokatsu01_hh_000603.html

社会実装が加速する物流分野でのドローンの活用

 日本の少子高齢化および労働人口減少の影響を大きく受ける物流業界。ユニバーサルサービスを提供するという観点からも、物流におけるドローンの活用は欠かせません。しかし、社会実装の推進には課題もあり、各プロセスを丁寧に進める必要があります。すでに複数の実証実験や取り組みも行われているため、今後も実用化に向けて活性化していくとみられます。多くの物流に関する課題解決の手段として、ドローンのさらなる活用が期待されます。

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