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MaaS EXPOで進化した交通サービスを調査しました!

2023年1月25日~26日にかけて東京ビッグサイト(東京都江東区)にて自動車業界の先端技術展「第15回オートモーティブワールド」内「第3回MaaS EXPO」が開催されました。この展示会では、小型モビリティを活用した新たな公共交通サービスや、自動車の利用がより便利になるAIの活用技術など、MaaS に関する様々なソリューションが一堂に会しました。
今回ミライコラボ編集部では、MaaSを発展させる最新技術に注目してMaaS EXPO内を調査してきました。

MaaSとは

国土交通省によると、MaaS(Mobility as a Service)とは、「地域住民や旅行者一人一人のトリップ単位での移動ニーズに対して、複数の公共交通やそれ以外の移動サービスを最適に組み合わせて検索・予約・決済等を一括で行うサービス」のことで、「観光や医療等の目的地における交通以外のサービス等との連携により、異動の利便性向上や地域の課題解決にも資する重要な手段となるもの」(国土交通省.「日本版MaaSの推進」.https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/japanmaas/promotion/,参照2023ー02-16)としています。

従来の公共交通機関であるバスや鉄道だけではなく、シェアサイクルや自動運転車両、超小型モビリティなどの新たな公共交通を活用することにより、交通空白地や観光地の移動利便性が向上することや、スマートシティの実現などが期待されています。

ミライコラボ編集部が見つけた!MaaSを発展させる最新技術

MaaS EXPOでは、鉄道やバスに代わる小型モビリティのシェアリングサービスや、社用車の利用に係る作業を効率化するソリューション、自動運転に対応するための車両の遠隔監視技術などMaaSの実現に向けた最新の技術やソリューションを提供する企業が多く見られました。
ミライコラボが特に注目した取り組みをご紹介します。

車内遠隔監視システム(株式会社東海理化)

株式会社東海理化のブースでは自動運転バスでの使用を想定した車内遠隔監視システムを拝見しました。
車内遠隔監視システムとは、自動運転バスの乗客が安全・安心に乗車できるように、乗客が車内で危険な行動をとっていないか管理者が遠隔で監視するためのものです。
このシステムには、ディープラーニングによって全身の骨格を検知し、その情報から姿勢や行動を推定するという「骨格検知技術」が活用されています。
実際に危険行動を検知する様子を見せていただきました。座席に座っていたり、吊革につかまって立っている状態は安全な状態であると認識されていましたが、座っていても窓から手を出している状態は危険な状態とみなされ、遠隔監視用のモニターにアラートが表示されていました。
監視者はアラートが発生した場合だけ実際の映像を確認し、必要に応じて乗客への注意喚起をすることができるので、通常の遠隔監視よりも負担が軽減されるとのことです。

車内遠隔監視システムのデモの様子。立っている状態で吊革につかまっているかどうかを識別している。

小型モビリティのシェアリングサービス(OpenStreet株式会社)

OpenStreet株式会社は2016年11月からシェアサイクルのプラットフォーム「HELLO CYCLING」を提供しており、全国約6,000か所に電動アシスト自転車の貸出・返却用拠点を展開しています。自転車搭載用のハードや利用者用アプリ、決済システムなどのシェアサイクルに必要な仕組みを全国の自治体や企業に提供することにより、交通空白地に新たな移動の選択肢を生み出しています。
また、自転車以外にも超小型EVやスクーターなどの小型モビリティのシェアサービス「HELLO MOBILITY」も展開しており、中距離の移動にも対応しています。
このようなモビリティのシェアリングサービスは地域住民や観光客の移動手段として活用されているほか、災害時には自転車のバッテリーを非常用電源として利用することもできます。さらに、自転車の走行データを分析し、自転車が頻繁に通行している道や、自転車の渋滞が起こっている場所を可視化することでまちづくりへの活用も進んでいるそうです。

シェアリングサービスで実際に使用されている車両。利用目的に合わせて使い分けることができる。

事故状況推定システム(セイコーソリューションズ株式会社)

セイコーソリューションズ株式会社のブースでは「事故状況推定システム」のデモを拝見しました。こちらは損害保険業界向けに開発されたサービスで、ある外資系損害保険会社で利用されているものです。AIがドライブレコーダーの映像を分析して過失割合や事故の状況を自動で判定することができます。
システムにドライブレコーダーの映像を取り込むと、自車と相手車の速度を自動で判定するほか、事故が起こる前後の状況から事故状況図や過失割合を判定し、印刷可能な判定結果を自動で作成します。
通常は事故当時のドライブレコーダーの映像があったとしても相手車速度は手計算で算出しなければならず、時間を要する作業となっていますが、このシステムを活用することで5分程度で相手車速度を算出できるので、自動車事故対応業務の負担を大幅に削減することができます。
また、過失割合算出過程を可視化することで納得感のある事故解決につながるとのことです。

事故状況推定システムの画面イメージ

カーシェアリングシステム「Will-MoBi」(株式会社Will Smart)

ミライコラボの運営会社である株式会社Will Smartは、「MaaSを加速するデータソリューション」というテーマでカーシェアリングシステムやAIカメラソリューション、交通データ分析サービス、運行情報配信サービスの展示を行いました。
運行情報配信サービスについては、佐賀駅バスセンターに導入いただいているGTFSデータとバスロケーションデータと連動したリアルタイムの運行情報配信画面を展示し、利用者がどのようにバスの運行情報を得ることができるのか、実際にご覧いただきました。
カーシェアリングシステム「Will-MoBi」は、電気自動車(EV)のカーシェアリング事業等のモビリティビジネスに活用いただけるプラットフォームです。ユーザーアプリ・管理画面・車載ハードウェアを備えたパッケージシステムを提供しており、展示会当日は株式会社FOMM様の超小型EV「FOMM ONE」を利用し、アプリで車両を解施錠するデモを行いました。

運行情報サービスのイメージと超小型EV「FOMM ONE」

まとめ

以上、MaaS EXPOで調査したMaaSの発展につながる最新技術についてご紹介しました。
MaaSの実現に向けては、従来の公共交通機関であるバスや鉄道の利便性の向上や、これまで公共交通機関が十分に発達していなかった地域に、カーシェアリングサービスや小型モビリティのシェアリングサービスなどの新たな交通手段を導入するなど、様々な取り組みが必要です。
また、車についてもAIを活用した危険行動の検知やデマンド交通の推進など、より安全に車を利用するための支援も欠かせません。
これからの交通業界は従来の交通サービスを提供するだけではなく、各地域の抱える課題に応じた交通施策を検討していく必要があるでしょう。

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