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IoTベッドで睡眠も自動運転?広がるスリープテック

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この記事では、家具・寝具メーカー・リラクゼーション業向けに、睡眠の質を高める新しい技術「スリープテック」について紹介しています。睡眠の質を高めるといっても、寝相を改善するといった方法ではなく、睡眠による心身の回復を高める技術のことを指します。

IoTの流れはいたるところに広がっており、ベッド・寝室もIoT化して睡眠をサポートする仕組みが生まれています。パナソニックでは、2019年4月1日に「究極の寝室」と題したベッドルームを、協業開発施設「&Panasonic」の一角に設けました。

また、ネスレ日本はコーヒーと仮眠スペースを提供するサービス「睡眠カフェ」を、2019年3月6日にオープンしました。その中で、照明・スピーカー・アイマスクなどにIoT技術を導入しています。

睡眠不足の解消・良質の睡眠による体調改善など、健康面でスリープテックがどのような役割を果たすのかが注目されています。

睡眠の質を「見える化」した技術

冒頭でお伝えしたネスレ日本の睡眠カフェは、コーヒーと睡眠の相関関係を応用したコンセプトを立ち上げています。すなわち、コーヒー(カフェイン)を摂取した後の短い仮眠による「コーヒーナップ」により、起床後のパフォーマンスを向上させるという試みです。

睡眠時間を短くまとめつつ効果を高めるという観点から、必然的に質の高い睡眠が求められます。そのため、上質な睡眠環境を整えるとともに、睡眠中の脳波をモニタリングする「睡眠計測機能」が付いたアイマスク「LUUNA」を使い、睡眠の質が確認できるようになっています。

周辺環境への配慮も徹底しており、1,600万色の中から好きな明かりを選べるIoT照明「Philips Hue」を使って暖色系の明かりを選んだり、森・川などの自然音をハイレゾで楽しめるスピーカー「R-LIVE」などを採用したりして、リラックスできる環境の構築を徹底しています。

フィリップス Hue Go

画像出典元:プレスリリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000027712.html

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自動で変形!自動運転ベッドの新しい試み

ネスレ日本が睡眠環境を整えるのに対し、パラマウントベッドは「ベッドそのもの」を自動変形させ、快適な睡眠状況を保つ寝具「Active Sleep」シリーズの発売を決定しています。入眠・起床時それぞれで自動運転が行われ、1分に1度ずつ動く速度感覚で入眠をサポートしてくれたり、起床時刻に合わせて背部が10度まで起き上がったりと、人間の身体にとって無理のない動きで睡眠をサポートしてくれます。

自動運転のスケジュールは、アプリを使って簡単に設定でき、1週間単位での睡眠スコアのチェックもできるようになっています。睡眠スコアの内容は非常に細かく計算され、自分で体感できない「睡眠時の心拍数・呼吸数・体動」の詳細が、寝ているだけで自動的に記録されていきます。

このような「睡眠の質を記録する」タイプのベッドは、販売・安定供給に向けて他社も着手しており、KDDI・沖縄セルラーとフランスベッド株式会社が手を組んだ「睡眠モニタリング機能付きマットレス (ルーパーRP-5000SE)」の共同開発が実現しています。こちらも専用アプリ「Real Sleep」を使って、利用者の睡眠データに基づき、睡眠スコアを集計する仕組みです。


https://youtu.be/4lqTWFOBho8

出典元:https://activesleep.jp/

看護師の人手不足を解消する、医療・介護用ベッドの新形態

体調不良・睡眠不足の改善という観点から発展したIoTベッドもあれば、患者の生体情報を測定するという観点から発展したIoTベッドもあります。
パラマウントベッドで開発が進んでいる「スマートベッドシステム」は、ベッド内蔵のセンサーを使い、患者が寝たままの状態であっても、器具を装着することなく脈拍数・呼吸数・睡眠状況などを測定することを目的としています。

これらの情報は、24時間リアルタイムで、ナースステーション・医療スタッフの携帯端末などを使って共有できます。医療スタッフの業務過多を緩和する意味で、今後に期待がかかっています。

2015年7月には、次世代の保健・医療・福祉に役立つ機器・サービスなどを幅広く展示する「国際モダンホスピタルショウ」において、プロトタイプが公開されています。高齢化社会の台頭に伴い想定される、看護・介護職の人員不足に対応するシステムとして、一刻も早い普及が望まれます。


https://youtu.be/E4tMnd0KktU

出典元:https://www.paramount.co.jp/sbs/index.html

まとめ

スリープテックの普及により開かれる未来は、人間の想定の斜め上をいくようになりました。自分たちでは十分に把握しきれていなかった「睡眠の質」について、いよいよ可視化できるようになっただけでなく、寝相自体を自動でサポートできるまでに至っています。

もちろん、いくら睡眠の質が向上するといっても、きちんと睡眠時間を確保しなければ、結局体調の回復にはつながりません。その点でも、自分自身の体調を数値で確認できることは、これからの体調管理に大きな発展をもたらすはずです。

事業者側としては、どれだけユーザーのニーズに寄り添えるか、より健康に有益な環境・情報を提供できるかが、今後の課題となるでしょう。

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