1人での移動や買い物の強い味方！視覚障害者のための「ＡＩスーツケース」
高齢化や生活習慣病の増加により、世界的に年々増加している視覚障害者の数。ＷＨＯは、2019年世界で22億人を超える人々が視力障害から失明に至るまで、さまざまな視覚障害があると報告されており、今後も増加していく事が予想されます。
このような状況課題を解決すべく、視覚障害者の移動をサポートしてくれる「ＡＩスーツケース」が開発され、実証実験が行われました。
これまで「学校や職場などの限られた場所へは一人で行けるが、自由な街歩きは安心してできない」「知り合いが向こうから来ても気づけない」など、一人で外出する上でのさまざまな課題を解決してくれるミライが近いかもしれません。視覚障害を抱える人々にとって希望の一筋となるのでしょうか。
目次
AIスーツケースとは
AIスーツケースとは、カメラをはじめとした様々なセンサーから得られる情報と最新のAI・ロボット技術を組み合わせることで、視覚障がい者が自立して街を移動し、自然なコミュニケーションを取ることを助けるスーツケース型のロボットです。
日本IBM、オムロン、清水建設、アルプスアルパイン、三菱自動車工業の5社が、この開発に向けて共同でコンソーシアムを設立し、開発を行っています。
実証実験の内容とは
今回の実証実験は、東京都中央区にある商業施設コレド室町３で関係者により実施されました。
位置情報とクラウド上の知識情報から、音声対話で周囲のお店の案内や買い物を支援したり、映像から知人を認識し、表情や行動から相手の状況を判断して円滑なコミュケーションを取ったり、また映像およびセンサーの情報から周囲の行動を認識して「行列に並ぶ」といった、その場に応じて社会的な行動を支援してくれます。
実証実験は、2021年4月30日までにその他の国内の商業施設や、公共交通機関、大学構内などでも行われる予定で、搭載機能の性能や使いやすさを評価・検証することで、共生社会の実現に向けた取り組みを進めていきます。
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・基本機能：移動を支援
１．位置・地図情報から目的地までの最適ルートを探索します。
２．音声や触覚などによる情報の提示を交えながら誘導します。
３．映像とセンサーの情報から、障害物を認識して避けます。
・独自機能：行動やコミュニケーションを支援
１．位置情報とクラウド上の知識情報から、周囲のお店の案内や買い物の支援を音声対話で実現します。
２．映像から知人を認識し、表情や行動などから相手の状況を判断し、円滑なコミュニケーションを支援します。
３．映像およびセンサーの情報から周囲の公道を認識し、「行列に並ぶ」といった、その場に応じた行動を支援します。
・追加機能
新型コロナウイルス対策として１～３の機能が追加されました。
１．映像およびセンサーの情報から人とのソーシャルディスタンスを確保しながら誘導します。
２．映像からマスクの着用有無を判定し音声と触覚（振動）で知らせることで、ユーザーの状況に応じた行動を支援します。
３．マスク着用時でも映像から知人を認識して、円滑なコミュニケーションを支援します。
４．商品タグをスマートフォンで読み取らせることで、手に取った商品の情品を音声で伝え、買い物を支援します。
今後の展開とは
視覚障がい者の実社会におけるアクセシビリティと生活の質向上を目的として、AIスーツケースのさらなる開発と、社会実装に向けた実証実験とデモンストレーションを実施していきます。
コンソーシアムの活動を通じて、障がいのある人もない人も、互いに、その人らしさを認め合いながら共に生きる「共生社会」の実現を目指して活動していきます。
AIカメラを活用した店舗業務改善とマーケティング活用
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