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事例

AIを活用した乗降者数計測システムの実証実験を実施

事例

株式会社Will Smart(所在地:東京都江東区 代表取締役社長:石井康弘)は、2020年2月に都内のバス会社と公共交通事業者向けのAIソリューション「Customer Count AI for BUS」によるバス乗降者数の計測および利用者属性の分析の実証実験を実施しました。AIを活用してバス利用者情報の把握するための実証実験の内容とその結果についてご紹介します。

背景

バス業界においては運転士の不足が慢性的な課題となっており、改善に向けたバスの運行スケジュールの適正化が必要とされてきましたが、乗降者の利用実態に関する正確性の高いデータが入手できていなかったため検討が進んでいませんでした。これまで人による計測の他にセンサーを使った乗降客のカウントシステムも存在しましたが、正確性と詳細な情報の不足が課題でした。
また、新しくAIカメラによる計測が注目されましたが、AIカメラに関しては、バス特有の「真夏の停車時の温度上昇」、「不安定な電源」、「走行に伴う振動」などが故障を引き起こす原因となりやすく、導入が進んでいませんでした。
本実験は、上記の経緯を受け、Will Smartと都内のバス会社で協議しAIを活用してバス利用者情報の把握するための行われたものです。

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実験内容と結果

Will Smartは、バス車内にカメラ等を設置して、3つの項目について検証を行う実験を実施し、以下のように結果を発表しています。

1.乗降者数の精度、乗降客の属性情報(年代・性別)の取得
  乗降者数を高い精度で計測できました。また、年代・性別など属性分析情報に関しても、マスクをつけた状態でも、高い精度で取得することができました。

2.バス車内への環境適合の可能性
  「真夏の停車時の温度上昇」、「不安定な電源」、「走行に伴う振動」に加え、バス車内への機器の設置方法、電源やネットワークの取得方法などの課題に対し対策を実施しました。

3.実運用に際して発生するメンテナンスの課題の有無と改善方法
  メンテナンス性を考慮し、機器仕様やシステム構成を見直しました。またバス運行中の揺れ等によるカメラの位置ズレについてはAIが検知次第係員にアラートで知らせる仕様を追加しました。

 

今後の展開

高い精度で乗降者数の計測を実現した今回の実証実験をふまえ、今後の展望として、Will Smartでは、以下の検討を進めています。

  • 時間帯や停留所ごとの利用者状況を元に、顧客利便性と適正な運転士配置を両立させる運行スケジュールを作成する
  • 新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症対策の一環として、車内の混雑度をバス停のディスプレイや乗り換え等のスマホアプリに表示する
  • バス事業者が人手によって対応している、ODデータの取得
  • 利用者属性を元にしたバス車内広告の出し分け

今後、AIを活用したバス利用者情報の把握がすすめば、バス業界が抱える課題を改善することができるかもしれません。また、業務の効率化を図ることができるというところも魅力です。
コロナ対策や運行スケジュール作成に役立つ乗降者データの取得を実現は、利用者にとってもよりよいサービスの展開として期待できそうですね。

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