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セミナー・体験レポート

AIでトイレの長時間使用を抑止!トイレ待ちの混雑緩和に期待

ミライコラボ編集スタッフが、最新のAI/IoTの活用事例に迫ります。

突然ですが、ついついトイレの個室で長居してしまい、外に出るとトイレ待ちの長い行列ができていて、気まずい気持ちになったなんてことはありませんか。
トイレの個室は、外の状況が分からないため、驚いてしまいますよね。
今回は、そんなトイレの長時間利用を抑止するサービスについて紹介します。

トイレの長時間使用抑止サービスの提供企業を取材!

今回取材させていただく、トイレの長時間使用を抑止するサービスAirKnock Ads(エアーノックアッズ)を提供している、株式会社バカンです。
バカン社は、IoTとAIを活用して、レストラン、観光地、お手洗い、避難所など、あらゆる空き(満空)情報を収集して提供している会社です。

お話を伺うのは、広報PRチームの町田 大地さんです。
町田さんは、トイレ混雑抑止メディア「AirKnock Ads」の広報担当として、プロダクトの広報PRを担当しています。
今回は、町田さんに伺います。

記者)現在、どのような場所でAirKnock Adsを導入しているんでしょうか?
町田)商業施設、オフィス、渋谷区役所、コンビニ、野球場など、多くの方が訪れる場所で提供させていただいています。

自社のトイレもAirKnock Adsを導入しているということなので、さっそく見せていただきます。

奥の2つの個室トイレに導入されています。

記者)こちらのトイレの特徴を教えていただけますか。
町田)大きな特徴は、個室内にモニターを設置していることです。個室内に入って10秒ほど経つと、自動で動画が流れます。

記者)個室が使用中になったことは、どのように確認しているんですか?
町田)ドアの種類によって検知方法も異なるのですが、今回のように常開式(使用されていない時にドアが常に開いているタイプ)のドアの場合は、内側のドアの上部にセンサーがついているので、ドアが閉まると反応します。

記者)どのような内容の動画が配信されているんでしょうか?
町田)基本的には、施設の情報と広告です。
動画の内容については、導入いただいている施設によって異なりますが、区役所などではコロナワクチン対策について。オフィスビルでは、テナント様に伝えたいお知らせ。そして商業施設などでは店舗の広告など、場所によって様々な動画を配信しています。

記者)どのように長時間の使用を抑止しているんですか?
町田)時間の設定は任意でできますが、基本的には個室に入ってから10分経つとモニターが長時間利用抑止の画面に切り替わります。
内容は二画面で、「トイレ内の個室の使用状況」と「トイレ内の滞在時間」です。

町田)長時間利用抑止の画面のうち、個室の使用状況をお知らせする画面では、トイレ内の個室が混雑や満室になると、「混雑しています」または「満室になりました」という表示に切り替わります。滞在時間を表示する画面の方は、10分以上経つと時間をカウントし続けます。

記者)たしかに、滞在時間がカウントし続けているのを見ると、早く出ないといけないと思いますね。しかも、満室状態が表示されていると、外で待っている人がいるかもしれないので、余計に用が済んだら出ないといけないと思いますね。
町田)導入しているオフィスでは、混雑解消やトイレの使用時間の削減につながるデータも出ています。個室トイレを20分利用する回数は、43%減少。さらに30分以上では64%も減少しており、長時間(20分以上)トイレを使用する人が半分ほどになっています。
また一個室あたりのトイレの使用時間が、一日あたり45分短くなったというデータもありますので、みなさんに譲り合って使用していただいていると思います。

記者)トイレの長時間使用抑止と聞いていたので、音などを使って早く出なさいと警告されるサービスかと思っていましたが、利用者が自分で長時間使用していることに気づいてトイレから出るのを促すサービスだったんですね。
町田)はい、おっしゃる通りです。
トイレを長時間使用している人も、長居しようと思っている訳ではなくて、何となく長居してしまっている方がほとんどだと思います。またトイレは閉鎖された空間なので、他のトイレの個室が空いているのか、使用中なのかもわかりません。混雑状況と自分の利用時間をお知らせすることで強引に出てもらうのではなく、使用している人が思いやりを持って出てくれるサービスになればと思って、このようにしました。

記者)AirKnock Adsについてですが、トイレの長時間使用の抑止の他にも効果はあるんでしょうか?
町田)長時間利用している個室の情報を施設側に通知することで、個室内で気分が悪くなって倒れた方を早期に発見して、事故を防ぐ仕組みにも活用できます。
基本的に、施設のトイレでは警備員の方が巡回しています。しかし、今まではトイレの個室の扉が閉まっていても、警備員の方には、中の人がどのくらいの時間入っているかが分からなかったため、もし病気などで利用者が倒れてしまっていても発見が遅そくなってしまうといったリスクがありました。しかしAirKnock Adsでは、長時間使用して場合はそのトイレの情報が警備室などに通知されるため発見までが早くなります。
そして、もうひとつ期待されているのが、人件費の削減と作業の効率化です。
オフィスや商業施設などのトイレでは、一日に数回、決まった時間に清掃を行っています。しかし、AirKnock Adsだと、トイレの使用回数、使用時間などがデータとして取れるので、トイレの使用状況から適切な清掃やトイレットペーパーなどの補充のタイミングがわかるようになり、作業が効率化されるので、人件費や備品の削減にも期待できると思います。

記者)今後の展開を教えてください。
町田)実証実験で、トイレに入った方の動画の視認性に関する興味深いデータが見つかりました。トイレで流した動画に対する、視聴者が動画の内容を理解する理解度が70%もあるというデータです。トイレは閉鎖された空間で静かな場所であり、集中しやすい環境になっていることがこのようなデータにつながったと考えております。今後はトイレの個室をより快適に過ごせる様に、30秒の英会話レッスンや、トイレできる簡単マッサージ動画、世界的に注目されるSDGsに関する学習コンテンツなど、長時間利用を助長しない範囲で、トイレでの新たな体験価値を創り出したいと考えております。

まとめ

今回の取材の中で伺ったのですが、トイレの混雑を解消するために、とあるオフィスビルではトイレの中にベルを置いて、個室が満室の時はベルを鳴らしていたそうです。しかし、トイレの個室から出てきたときに、鳴らした方も、出てきた方も気まずいという声があったそうです。今回紹介したAirKnock Adsのように、利用者が自ら気づいて長時間の使用を抑止する方法だと、こうした気まずさを解消できるので、良いと感じました。

【取材先概要】
「株式会社バカン」
■所在地:東京都千代田区永田町2-17-3住友不動産永田ビル2階

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