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新しい地域交通の形「シェアモビリティサービス」とは?

公共交通機関といえば、バスや鉄道が主流ですが、コロナ禍を経て移動のニーズは変容しており、混雑を回避した移動や、パーソナルな移動が求められています。
また、地域や観光地における移動の利便性向上や、自家用車から公共交通機関への転換を促進し交通渋滞の解消や持続可能な公共交通を実現するために、最寄りの駅やバス停から目的地までの「ラストワンマイル」を補う交通機関の充実が求められています。

そこで地域交通の新たな形として注目されているのが「シェアモビリティサービス」です。本記事では「シェアモビリティサービス」の概要やサービス事例をご紹介します。

※本記事は2023年3月3日配信記事を再編集したものです

シェアモビリティサービスとは?

シェアモビリティサービスとは、車や自転車などを複数の利用者で共有して利用できるサービスの事で、近年シェアサイクルやカーシェアリングサービスが広く利用されるようになりました。

シェアモビリティを活用すれば、車両を所有する必要が無く、購入時の費用や維持費などを節約できるので、経済的です。また、必要な時だけ利用することができるので、ライフスタイルに合わせて柔軟に活用できます。電車やバスなど従来の公共交通だけでは移動しにくかった地域でも、シェアモビリティの活用によって移動の利便性が向上するとして注目されています。
それでは、どんなシェアモビリティサービスがあるのか、見ていきましょう。

カーシェアリングサービス

カーシェアリングサービスとは会員がカーシェアリングサービス事業者の提供する車両を共同で利用する仕組みです。10分単位など短い時間で車両を借りることができるので、ちょっとした買い物などに気軽に利用できます。また、車の購入代金やガソリン代、保険料、車検代などの維持費が必要ないので車の使用頻度が少ない人にとっては車を所有するより経済的な場合もあります。

タイムズカー(タイムズモビリティ株式会社)

タイムズカーはパーク24グループのタイムズモビリティ株式会社が提供するカーシェアリングサービスです。
全国にステーションが展開されており、24時間365日利用できます。専用のアプリから予約ができるほか、渋滞に巻き込まれた際など予定していた返却時間に間に合わない場合のために延長機能なども提供されています。

ふらっとカーシェア(大和ライフネクスト株式会社)

ふらっとカーシェアは大和ライフネクスト株式会社が提供するマンション居住者限定のカーシェアリングサービスです。通常のカーシェアリングサービスと異なり、1台の車を特定の5世帯でシェアするので予約が取りやすく、マイカーに近い感覚で利用できるというのが特徴です。

ふらっとカーシェアのサービス体験レポートはこちらからご覧いただけます!

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シェアサイクルサービス

シェアサイクルサービスとは、アプリやWebサイトなどで会員登録を行うと、自転車に乗りたいときに借りて、目的地の近くで返却することができるサービスです。
自転車は、狭い道でも走行しやすく、軽量なら荷物を載せることも可能なので、ショッピングや通勤、観光など様々な用途で活用できます。

HELLO CYCLING(OpenStreet株式会社)

OpenStreet株式会社はシェアサイクリングサービス「HELLO CYCLING」を運営しています。2022年7月1日時点でステーション数は約5000か所、首都圏、関西圏を中心に20都道府県に展開されています。
アプリやWebサイトで会員登録をすると、アプリから自転車の予約や近くのステーションの検索を行うことができ、HELLO CYCLINGの提携ステーションであれば、乗る場所も返す場所も自由に選ぶことができます。
料金は地域によって異なりますが、基本料金は130円/30分、1,800円/12時間で、短時間の利用であれば、電車やバスよりも安価に移動することができます。
使用できる自転車は電動アシスト付き自転車とスポーツタイプの電動アシスト付き自転車で、坂道や長距離でも楽に運転することができます。(一部電動アシストが付いていない自転車もあります)

2022年か10月から「堺市シェアサイクル事業」が開始された
(HELLO CYCLINGサービスページより引用,https://www.hellocycling.jp/info/news/2022/10/04/1253/)

バイクシェアサービス(株式会社ドコモ・バイクシェア)

株式会社ドコモ・バイクシェアが運営している「バイクシェアサービス」はアプリやWebサイトから会員登録と交通系ICカードの登録を行うとすぐに自転車を利用することができます。車体は電動アシスト付き自転車で、自転車には損害保険を付保しているので、安心して利用することができます。
首都圏や関西圏を中心にサービスを提供しているほか、全国の自治体等が運営するシェアサイクルサービスにシステムを提供しています。
利用料金は地域によって異なりますが、東京広域エリアの場合、165円/30分、月額2200円(1回につき30分以内の利用に限る)で利用できます。

キックボードシェアリングサービス

近年、新たな移動手段として注目されているのが「電動キックボード」です。
全国で実証実験が行われており、電車で移動するほどではないが、徒歩だと少し遠いという距離の移動に便利です。
道路交通法の改正により、2023年7月1日から時速20km以下の電動キックボードは「特定小型原動機付自転車」に区分され、16歳以上は免許不要で乗車できるようになったので、今後ますます利用者が増加すると考えられます。

LUUP(株式会社Luup)

株式会社Luupは電動キックボードと電動アシスト付き自転車のシェアリングサービスは「LUUP」を運営しています。現在の提供エリアは東京都心部をはじめ大阪市、京都市、神戸市、広島市、福岡市の中心部など全国に拡大しています。
「LUUP」で利用できるキックボードや自転車は非常にコンパクトなつくりなので、ビルやマンションなどの空きスペースにポートが設置できるため、提供エリアは徐々に広がってきています。
利用の費用は基本料金が50円で、1分ごとに15円加算される仕組みです。

大阪市にある松下IMPビルに設置された「LUUP」のポート
(LUUPサービスサイトより引用,https://luup.sc/news/2023-02-03-osaka-business-park/)

マルチモビリティシェアサービス

マルチモビリティシェアサービスとは、スクーターや超小型EVなど、用途に応じて様々なモビリティを利用できるシェアリングサービスです。
複数のシェアモビリティを借りることができるマルチモビリティステーションはENEOSホールディングス株式会社やさいたま市、JR東日本大宮支社の連携によりさいたま市内の埼京線沿線に設置されているほか、2023年2月2日には東京都世田谷区にも「ENEOSマルチモビリティステーション」が誕生しました。

「ENEOSマルチモビリティステーション」の体験レポートは下記からご覧いただけます。

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HELLO MOBILITY(OpenStreet株式会社)

マルチモビリティシェアサービスの中で代表的なのは自転車シェアリングサービス「HELLO CYCLING」を運営しているOpenStreet株式会社が運営する「HELLO MOBILITY」です。最寄りのステーションから専用アプリで好きなモビリティを選択し、目的に合わせて自由に利用できます。
ラインナップは超小型EVの「FOMM ONE」や「C+pod」、屋根付き3輪スクーターです。また、EVスクーターとEVスクーター用バッテリーシェアリングサービス「Gachaco」のシェアリングにも最近対応し、加えて、電動自転車も「HELLO CYCLING」と連携してシームレスに利用することができます。今後はスローモビリティ(立ち乗りモビリティやシニアカーなど)への対応も検討しているようです。

さいたま市のマルチモビリティの実証実験(さいたま市HPより引用,https://www.city.saitama.jp/001/010/018/003/p084263.html)

多様なシェアモビリティサービスで生活をさらに便利に!

MaaS実現のため、交通業界や観光業界におけるデジタル活用が進んでいるほか、自転車を活用した「サイクルツーリズム」推進の影響によりスマートフォンのアプリなどから利用できるシェアモビリティサービスのニーズが高まっています。
シェアモビリティサービスは必要なときに必要な時間だけ利用できるので、購入費用や維持費がかからないので経済的です。また、公共交通機関や車を利用するよりも、自転車や電動キックボードなどの方が環境に優しく、小回りが利くので移動しやすいというメリットもあります。
新たな地域交通として注目されるシェアモビリティサービスを活用することで日常の移動時間が便利になっていくでしょう。

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